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スポーツ  投稿日:2017/2/8

女子アイスホッケー連続五輪挑戦 

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神津伸子(ジャーナリスト・元産経新聞記者)

■眼前の冬季五輪最終予選

間もなく韓国・平昌冬季五輪出場をかけて世界最終予選にのぞむ女子アイスホッケー日本代表、スマイルジャパン。北海道・苫小牧の白鳥アリーナでの最終調整に余念がない。

直前のカナダ・カルガリーインフェルノを迎えてのチャレンジマッチは1勝1敗。最終予選で同グループのフランス代表との試合も4-1と快勝し、調子を上げて来ている。

9日から始まる最終予選では4か国のグループリーグにより総当たり戦で、最上位1チームのみが出場権を得る。現在世界ランキング7位の日本は、ドイツ(8位)、オーストリア(11位)、フランス(12位)と同組。ソチ五輪で1勝も出来なかったドイツが最大のライバル。何としても取りたい、ソチ五輪に続いての連続出場権だ。勝てば、平昌冬季五輪出場選手決定第一号となる。

■新生スマイルジャパン

21人の代表メンバー中、14人がソチ五輪経験者。多くの選手が20代半ばと選手としても円熟期を迎えている。昨年7月からチームを率いる山中武司監督のもと、新生スマイルの目玉は、35歳のベテラン小野粧子(フルタイムシステムズ御影レッズ)、バンクーバー五輪最終予選の経験が生かされるか。若手では最年少の永野元佳乃(18・Ontario Hockey Academy)、ソチ五輪眼前で代表を逃した床秦留可(19・SEIBUプリンセスラビッツ)のフォワード陣の決定力が、期待される。

DFでは、アイスホッケーの本場カナダで生まれ育った細山田茜(24・Cargary Inferno)が加わり、守りに厚みを増した。

山中監督が「得点が取れる」「しっかり守れる」選手を選んだと公言する最強メンバーに、五輪切符獲得の期待がかかる。各国に劣る体格差を補うために、体力とスピードの強化に力を入れて来た。「ここはあくまでも通過点」(大澤ちほ主将)と、視線はあくまでその先の平昌を見据える。

スマイルジャパンとサクラセブンズの熱い友情

そんなスマイルジャパンは、実は、昨年のリオ五輪で初出場を果たした女子7人制ラグビー代表・サクラセブンズと縁が深く、仲が良い事はあまり知られていない。きっかけは、2013年12月のスマイルジャパンのソチ五輪に向けての苫小牧での強化合宿の見学に浅見敬子前ヘッドコーチや中村知春主将(当時)らが、訪れたことだった。リオ・東京五輪を見据えたサクラセブンズが「共通点が多く、学ぶべきところが多いスマイルジャパンに勉強させてもらいたかった」(浅見)。

練習場所や時間の確保が難しい、競技人口が少ない、女子選手が取り組むには激しいスポーツなど、確かに似通っている両者。広報体制など多くを学んだが、何より両競技の選手がそのような過酷な状況下でも、明るく元気な事から、すぐに打ち解けて仲良くなった。スマイルジャパンのメンバーが、サクラセブンズの合宿に講演に訪れる事もあった。

リオ五輪への寄せ書き

何よりも、サクラセブンズのメンバー喜ばせたのは、2015年秋のリオ五輪出場をかけての最終決戦の戦いの中、東京・秩父宮ラグビー場に直接届けられたスマイルジャパンからの熱い寄せ書きだった。しかも、直々届けたのは代表の守護神の一人、小西あかね(21・SEIBUプリンセスラビッツ)。寄せ書きには「届け!SMILE POWER!!」「全力で応援してます!テレビで皆さんの活躍が観られるのを楽しみにしています」などや、「リオ五輪で真紀子ちゃんが見たい!」と、直接サクラセブンズの冨田真紀子(25・フジテレビ)を応援するものまで。その勢いに乗って、サクラセブンズは見事、リオ五輪に出場を果たした。スマイルジャパンに対しても「何としても平昌へ!」と、エールを送る。

■平昌冬季五輪の出場枠は残り2つ

平昌冬季五輪女子アイスホッケーの出場国は、わずかに8か国。世界ランキング上位5位チームのアメリカ、カナダ、フィンランド、ロシア、スウェーデンと主催国の韓国(23位)と、すでに6か国が決定している。もう1つの予選グループは、スイス(6位)、チェコ(9位)、デンマーク(10位)、ノルウェー(13位)と、どこが出場権を得てもおかしくない強豪揃い。

すでに、残念ながら男子日本代表は最終予選で敗退している。

「結果を残さないと、アイスホッケーを知ってもらうことが減ってしまうことをソチ五輪以降、実感しています。ずっと観て貰うためにも、自分たちが頑張らないと」(大澤主将)

熱戦の火ぶたは、間もなく9日に切って落とされる。

(文中敬称略)

*トップ写真:サクラセブンズへの大きな寄せ書きパネルを持参したスマイルジャパンの守護神の一人、小西あかね選手。2015年11月、東京・秩父宮ラグビー場で。©神津伸子

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この記事を書いた人
神津伸子ジャーナリスト・元産経新聞記者

1983年慶應義塾大学文学部卒業。同年4月シャープ株式会社入社東京広報室勤務。1987年2月産経新聞社入社。多摩支局、社会部、文化部取材記者として活動。警視庁方面担当、遊軍、気象庁記者クラブ、演劇記者会などに所属。1994年にカナダ・トロントに移り住む。フリーランスとして独立。朝日新聞出版「AERA」にて「女子アイスホッケー・スマイルJAPAN」「CAP女子増殖中」「アイスホッケー日本女子ソチ五輪代表床亜矢可選手インタビュー」「SAYONARA国立競技場}」など取材・執筆

神津伸子

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