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.政治  投稿日:2017/6/16

政府は説明責任果たせ 民進党玉木雄一郎衆院議員


「細川珠生のモーニングトーク」2017年6月3日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(駒ヶ嶺明日美)

【まとめ】

・加計学園問題、閣議決定や行政の手続きが適正だったか、政府は説明すべき。

・省庁の意思決定が公正かどうか事後に検証するシステムも必要。

・民進党は他の政府提出法案についても審議拒否の可能性あり。

 

国会の会期終了が迫る一方で、森友学園問題から続く加計学園問題に関する真相解明は混迷を極めている。果たして問題の本質は何なのか、物事の決定権や行政の人事権を持つ政権中枢は制度としてどうあるべきかなどを、民進党幹事長代理の玉木雄一郎衆議院議員に政治ジャーナリストの細川珠生氏が聞いた。

まず細川氏は、国会で進行中の加計学園問題追求について聞いた。玉木氏は、「問題なのは、安倍総理と加計学園の理事長の個人的な付き合い自体ではなく、それによって閣議決定や行政の適正な手続きを満たさないような手続きがあったのかどうか。」だと述べ、その疑いは極めて高く、政府側は説明責任を果たすべきだとした。

さらに、「11月9日に内閣総理大臣が議長を務める国家戦略特区諮問会議で獣医学部の新設を決めたのだが、前の日の午後11時59分のメールには、こう書かれている。」と、民進党に寄せられた文科省のメールと添付ファイルの内容を以下の通り読み上げた。

「昨日、大臣(松野文部科学大臣)及び局長より、『加計学園に対して、文科省としては現時点の構想では不十分だと考えている旨、早急に厳しく伝えるべき』という指示がありました。局長からは先程も、早く連絡して【絶対今日中】と言われたところです。加計学園に前日に伝えられた中に、『毎年定員160名の学生の輩出に見合う、応用ライフサイエンス研究など、獣医高度臨床医の具体的需要も、説明が必要でありご準備いただきたい。』」

これについて玉木氏は「つまり、前日の昼の時点では定員増の160名分の需要に関して、具体的な説明がなされていない状況。回答をもらえないまま、閣議決定で獣医学部の新設を認めてしまったことが窺い知れる」と指摘した。

また、前川喜平前文科次官の「赤を青と、黒を白と言わざるをえなかった」という発言を重く受け止めている考えを示し、その上で「いくつか揃っている文書からみても、強引に加計学園ありきで物事が進められたことが窺い知れる。」として、政権与党側の「記憶にない」との発言を非難した。

細川氏は「記録にはないかもしれないが、記憶にはあるはず」と述べ、「役人も事実がなかったとは言っていないということ」との見方を示した。

細川氏は税金の使途に対して「総理の思いが忖度」された可能性に言及し、物事の決定権や行政の人事権を持つ政権中枢は制度としてどうあるべきと考えるか聞いた。これに対し玉木氏は、橋本政権以来の行政改革とそれに伴う官邸機能強化の流れを振り返り、「内閣人事局ができて各省庁のトップの人事を官邸が握った。これは民主党のときから提案していたことだが、これほど強く効くのかという思い。我々も反省しなければならない。」と述べると共に、その判断・決定が、公平・公正であったのかを事後的に検証できるルール作りが必要との認識を示した。

さらに、現状「存在するはずの意思決定過程の文章が、無いと言えば無かったものにできる」と懸念を示し、今回の問題に対しては、「現行法の範囲内でも、当然出すべき資料。政府与党にはきちんと対応してもらいたい。」と述べた。

細川氏が会期末に向けての国会戦略を聞くと、玉木氏は会期延長を求めるつもりはないとしながらも、場合によっては他の政府提出法案についても法案の審議拒否を行う可能性に言及した。また、「権力の私物化がすぎるのではないかと思っている国民が増えているのでは。」と述べ、国会が行政監視機能を果たす重要性を強調した。

最後に玉木氏は官僚時代、制度設計に関わってきた特区制度自体に関しては賛同する考えを示した。

(この記事は、ラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年6月3日放送分の要約です。)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

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細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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