[山田厚俊]<厚生労働省・不正入札疑惑>存在感が示せない民主党の中で奮闘する玉木雄一郎議員に期待
山田厚俊(ジャーナリスト)
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厚生労働省が“身内”独立行政法人「高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)」に職業訓練事業を回すため、入札条件を書き換えていた問題がまだ解明されていない。厚労省が内部調査の結果報告を先延ばししているためだ。
この問題を徹底追及してきたのは、民主党の玉木雄一郎・衆議院議員。東大法学部卒で大蔵省(現・財務省)に入省し、主計局主査まで務めたエリートだ。普段は温和な印象の玉木氏だが、かなり怒り心頭のようだ。4月18日にアップした自身のブログでこう記している。
そもそも、不正入札疑惑の端緒となった入札公示差替えが明らかになったのは、3月6日。既に50日近くが経過しています。我々が独自に入手した情報によれば、厚労省は「弁護士調査」を理由に引き延ばして時間を稼ぐ一方、入札妨害罪に該当しないような「口裏合わせ」をしている疑いがあります。もし事実とすれば、刑法104条の証拠隠滅罪に該当するおそれがあり、断じて許すことはできません。
5月8日に十分な調査報告が行われないのであれば、入札妨害罪(刑法96条の6及び官製談合防止法8条違反)の疑いで刑事告発することも視野に入れて対応を検討しています。この事業は予算執行をやめ、国庫返納すべき(民主党・玉木雄一郎衆院議員)
存在感がなかなか示せない民主党のなかにあって、玉木氏の孤軍奮闘ぶりはひときわ目立っている。結局、どこかが言う“責任野党”なんてちゃんちゃらおかしいのであって、野党はキチンと政府与党や行政の不正などを厳しく調査、追及するしかないのである。
その玉木氏はブログの最後をこう締めくくっている。
4月から消費税が8%に上がり、その増税分が社会保障費、すなわち厚生労働省予算に充てられる中、税金の使い途については、一点の曇りもあってはならない(民主党・玉木雄一郎衆院議員)
厚労省の闇に切り込む玉木氏の今後に期待していく。
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