[山田厚俊]<野党の凋落>みんなの党・渡辺喜美代表が買った熊手は金か?ダイヤか?プラチナか?
山田厚俊(ジャーナリスト)
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みんなの党の渡辺喜美代表が、化粧品販売会社「ディーエイチシー(DHC)」の吉田嘉明会長から8億円を借り入れていた問題で、3月31日、党最高顧問の江口克彦参議院議員が渡辺代表に対し、“辞任勧告”をしたことが明らかになった。
週刊誌報道で問題が発覚した当初、党側は困惑しきりだった。というのも、
「不満分子は昨年離党し、結いの党を結成した。いま、みんなの党の議員は“渡辺商店のイエスマン”ばかり。渡辺氏が自ら辞任しない限り、どうすることもできない」(永田町関係者)
というのが大方の見方だったからだ。
ところが、会見で渡辺代表は「純粋に個人としてお借りした」「法律違反は生じません」などと話し、使途については「酉の市で熊手を買った」という“お粗末発言”も飛び出し、与野党から失笑を買った。「きっと金やダイヤか、プラチナの特製熊手だな。一度、見てみたい」などという声も永田町では聞かれる。
そのため、党内では火消しに躍起となり、浅尾慶一郎幹事長は「誤解を解くことが必要なので政倫審も含め対応していきたい」と、渡辺代表の衆院政治倫理審査会(政倫審)出席を前向きに検討する考えを示した。
それが突如、内部からの“辞めろコール”。もう歯止めが利かないとの判断が党内で出てきたからだろう。さすがに、貸した側からの“告発”は、逃れようがない。DHCの吉田会長からメールの中身まで明かされては、「もはやこれまで」といった感がある。
それにしても、野党の凋落ぶりはとどまることをしらない。野党第1党ながらまったく存在感を示せない民主党、野党再編を模索しながらも党内で東西対立がくすぶる日本維新の会など、どこを見渡しても物足りなさしか感じないのがいまの野党だ。
これでは、政権与党の高笑いが響くばかりだろう。ふがいない野党の再編は、さらに険しく長い道のりになったことだけは間違いない。
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