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.政治  投稿日:2014/12/14

[安倍宏行]【過去最低投票率更新なるか?】~59.32%を下回るか?有権者の判断試される~


安倍宏行(Japan In-depth編集長/ジャーナリスト)「編集長の眼」

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朝日新聞の取材を数日前に受けた。記者氏曰く、「テレビの政治報道が激減しているのは何故か?」自民党がNHKや在京民放テレビ局に対し、11月20日付で「選挙報道の公平中立」などを求める要望書「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」(同党筆頭副幹事長・萩生田光一氏および報道局長・福井照氏名)を出していたことや、テレビ朝日系列の「朝まで生テレビ!」に評論家の荻上チキさんの出演が取り止めになった問題などから、テレビが委縮しているのでは?という問題意識が記事化のスタートとなっていたようだ。

確かに、去年私がフジテレビを辞めるまで、このような要望書が政党から来たことはない。極めて異例だとは思うが、書いてあることは放送法の範囲内であり、さして驚くようなことでもない。言われなくても、テレビ局は法律は順守しなければならないし、細心の注意を払って番組制作にあたっている。

出演者の差し替えなど、日常茶飯事である。そもそも番組制作の前段階で、番組の趣旨に合ったゲストを事前に実際に会ったり、電話取材したりして選び、出演をお願いするわけだが、途中で別のゲストに差し替わったり、出演をお断りすることはさして珍しい事でもない。

ニュースやワイドショーの総選挙の扱いが小さいというなら、「それは世間の関心の低さを反映しているだけだ」と小生は朝日新聞の取材に対して答えた。しかし、記者氏は政治からの圧力からテレビが選挙報道に及び腰になった、というコメントを欲しかったのかもしれない。しかし、実際はそんな話ではない。テレビというメディアの特性からそうなっているにすぎない。

ニュースだろうがワイドショーであろうが、視聴率が取れるか取れないかが、テレビ局の番組制作のすべての判断基準だ。今回の総選挙は争点が分かりづらく、有権者の関心は明らかに低い。「何故、選挙をやらなきゃいけないの?」と思っている人がほとんどではないか?

かつ政権交代が起こるようなスリリングな展開もない。野党側に、安倍首相に対抗する強烈なヒール役もいない。維新の党の橋本共同代表が国政に名乗りを上げていたらもう少しメディアの扱いも変わったかもしれないが、今の野党党首の顔ぶれではいかにも力不足である。つまり、ドラマがそこにないのだ。かつての小泉郵政選挙の時のように“くノ一刺客”などという、誰が見ても面白いシーンは期待できそうにもない。だから、テレビが選挙を取り上げないに過ぎない。テレビは世間の鏡、といわれるゆえんである。

そんなことでいいのか!と憤る諸氏もいようが、テレビとはそういうものなのだ。だとしたら、私達有権者は自分で情報を集め、自分で考えて、投票所に足を運ぶしかない。

新聞こそ、データージャーナリズムを駆使し、読者にわかり易く投票の参考になる情報を提供してもらいたい。例えば各候補者の

 

・過去の法案に対する投票行動。

・重要政策に対する考え方。

 

等を一覧にしてくれるだけでずいぶんと参考になると思うのだ。

比例区を政党で選ぶ際に、どれだけの有権者が各党の政策の違いを理解したうえで投票しているだろうか。小選挙区の議員だとて同じ。彼らがどんな政治信条を持っていてどの法案に賛成しているのか、全く情報がないまま、投票している人が多いに違いない。

少なくとも私たちは様々なメディアに点在している情報をかき集めて投票の参考にするしかない。果たして、タイトルのようなことになるのかどうか?私は悲観的だが、この記事を読んで奮起して投票に行かれる方が一人でも増えることを願うばかりだ。

ちなみに、以下の数字は明日の各局の選挙特番を見る際に重要な数字となるので覚えておくといいだろう。

 

・新定数      475

・定数の3分の2   317 (参院否決した法案再可決可)

・単独政党過去最多 308 (09年の民主党)

 

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