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.JID  投稿日:2014/12/14

[Japan In-depthチャンネル ニコ生公式放送リポート]【原発再稼働、再エネ問題を議論せよ】~特定秘密法、施行後も改正を念頭に~


2014年11月26日放送

Japan In-depth 編集部(Aya)

 

突然の衆議院解散。そして目前に迫る総選挙。Japan In-depthチャンネルでは、選挙までの三回の放送で、選挙に絡む様々な争点を取り上げ、選挙前に有権者がどのようなことを考えて投票すればよいのか、放送する。今回は、週刊朝日コラボ企画第二弾。週刊朝日記者の古田真梨子氏、そして元経産省官僚の宇佐美典也氏をお招きし、エネルギー問題を中心に、そして解散中に施行される特定秘密保護法案についても議論した。

今回の衆議院解散について、古田氏は「唐突感があった。『アベノミクス解散』というのを聞いて、ますます『?』という感じ。莫大なお金をかけて選挙をする必要があるのだろうか。政権の目的を検証した結果、結局は政権の延命なのかな、と思った」と述べた。宇佐美氏は「いつかは解散するだろうとは思っていた。景気も悪くはないし、タイミング的に判断はおかしくない」と話した。

私たちの生活を支えていくエネルギー。選挙の際にとても重要な争点になってくる。経産省退職後、太陽光や小水力など再生可能エネルギーの会社を立ち上げた宇佐美氏は「今のエネルギー政策は、政権が民主党から自民党に変わっても大きく変化はない。戦略がないので、事業をやる方もやりづらい。」と話し、原発やCO2問題をどうしていくのか具体的な方針が定まっていないことを指摘した。

原発の再稼働問題は大きなイシューとなっているが、では実際にこの先原発をゼロになるとするとどうなってしまうのだろうか。原発がなくなれば、下記の三つの問題が露呈すると宇佐美氏。

 

①電気料金が20%上がる

②燃料の赤字で電力会社は採算が取れなくなる

③CO2は増え続ける

 

原発再稼働反対の声は大きいが、電気代が20%増えるということは(東電管内では既に20%上がっている)、税金が引き上げられるのと近い意味合いを持っている。そのことに気づいていない国民が多いのではないだろうか。

また、原発の安全性についてであるが、新潟県の柏崎刈羽原発では、震災後、高さ15mの巨大な防波堤が作られ、緊急電源車が設置されるなど、東日本大震災規模の地震が来ても安全なように、総額約5千億円がつぎ込まれた。安倍編集長も2年前に現地へ取材に赴いたことがあるが、地元メディア以外は殆ど取材しておらず、何故大手メディアは報道しないのか疑問に思ったという。実際に現場近くに住んでいたこともある宇佐美氏は「5千億円もかけて、安全性を確保しようとしているのだから、稼働してもよいのではないか」と話した。古田氏は「朝日新聞での最初の赴任地が福島だったこともあり、福島の人のことを思うとなかなか賛成とは言い切れないが、そうとも言っていられない状況なのかもしれない」と、原発再稼働への複雑な心境を吐露した。

原発をゼロにするのであれば、確実にその代わりとなるエネルギー源が必要だ。宇佐美氏曰く、一番現実的なのは地熱発電であるという。太陽光は電線に負荷が来ており、限界が来てしまうと言われている。バイオマス・水力も開発余地はあまりない。消去法で考えていくと地熱が一番有力なのだが、地熱発電を開発していくためには、いずれ国立公園の指定区域内に発電所を建設することになる。果たして政府にその決断ができるのだろうか。

話題は今回のもう一つの柱、特定秘密保護法について。週刊朝日では、毎回この法律について特集を組んでいるという。12月5日増大号では、「秘密保護法に賛成したのはこの衆院議員 2013採決」と題して、総選挙を前に各議員の秘密保護法案への賛否が一覧で見られるようになっている。一年前のことなので忘れられがちだが、もう一度この法案に誰が賛成したのかを復習しておくと、意外な発見があると古田氏。そもそも政党への投票は限界を迎えている。古田氏も「党の主張ばかり見ていると、個人の政策が分からなくなってしまう」と指摘。一つ一つの争点への反対・賛成を見て、有権者のやってほしい政策に近い候補者が多い党に投票したいところだが、それにはデータ・ジャーナリズムが必要だろう。

宇佐美氏は特定秘密保護法に賛成であるという。「秘密を管理するルールを作ることは良いこと。この法律によってむしろ情報公開に向かうということもあるだろう」と話し、「ただし、この法律は施行されてから良い方向に内容が改正されていくべき」と付け加えた。

(注:この原稿は、2014年11月26日(水)2000~2100のJapan In-depthチャンネルの放送内容を編集部が要約したものです。)

 

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