[岩田崇]「日本政治」はもう死んでいる。だから最前線になる。
岩田崇(株式会社ハンマーバード 代表)
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「日本の政治を、信頼していますか?」と急に聞かれたらまず面食らいますよね。
たとえ、返事をするとしても、ほとんどの人は「信頼している」とは答えないと私は思います。
なぜなら、主観として、私も信頼していると答えられないからです。
そして、客観としてOECDの調査(『government at a glance 2011』)における“In this country, do you have confidence in National government?” という質問への肯定的な回答は22%であり、調査対象37カ国中36位というと不名誉な順位です。
ちなみに、この調査に反映されている数字は、2008年のものであり、自民党政権の時のものですが、より新しいデータに目を向けると国内の調査機関が2012年に行った、国会議員、官僚、裁判官、マスコミ、銀行、大企業、医療機関、警察、自衛隊、教師の信頼度についての調査(『「議員、官僚、大企業、警察等の信頼感」調査』2012)というものがあります。この調査では、その他の職業に較べて、官僚と国会議員の信頼感が明らかに低い状態にあります。
つまり、国内の調査でも、国際比較でも、日本政治は国民に信頼されていません。
この状態は、急な変化で発生したものはなく以前からの状態であると考えられます。そして、近いうちに改善する見込みもありません。
日本政治は、まず、国民からの信頼という点で、おそらく死んでいるのです。
でも、私達には日々の生活や仕事があり、決めなければならない法案、政策は山のようにあります。多忙な状況で「日本政治」が死んでいることを認めてしまえば、混乱が生じることは簡単に想像できます。特に、政治家やビジネスマンなど現実に向きあう立場の方々はそうです。
現在の日本政治は、その死を認めることができないまま、日々の対応に追われ、そして何とか混乱が起きないようにするなかで、死んでいることすら忘れている状態なのだと私は考えています。まっとうに日本政治の状況をまとめる人が居ないのです。
だから、私は、これから「日本政治」への死亡宣告を行おうと思います。
きっちりと死を宣告した上で、主権在民の日本政治を再構築する処方箋を示そうと思います。タイトルにある「最前線」は、変化が起こる領域(front line)であると同時に、新天地(frontier)という意味でもあるのです。では、また!
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