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政治  投稿日:2013/10/1

[水野ゆうき]住民生活の明暗分ける地方自治体~地方議会の課題~

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水野友貴(千葉県我孫子市議会議員 )

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地方議員の役割を正確に理解している市民はどれくらいいるだろうか。
2011年11月、千葉県我孫子市議会議員選挙が実施され、私はどこからの政党・組織の応援ももらわず、完全無所属で出馬した。
我孫子市は北の鎌倉とも呼ばれ、白樺派の文豪が愛した街である。人口約13万5千。私は生まれは我孫子市であるが、父親の仕事の関係で小・中学校の途中までは米国で過ごしていたため確実な票はほぼなかった。
泡沫候補と揶揄されることもあり、母親の大きな手術と重なり、最終的に出馬表明したのは約1ヶ月前。
しかも定数24名のところ32名も立候補し大激戦。会社員時代の貯金を切り崩し、事務所もなく、マイク一本で政策を毎日訴える日々が続いた。それこそ蓋を開けてみなければ全く当落は読めなかった。しかし、他陣営の期待を裏切り前回の市議選のトップ票数を上回るご支援をいただき当選。誰が入れてくれたのは全くわからない。新人当選は公明党議員の入れ替え以外、私しかいなかった。

各地方自治体の選挙は地域性が色濃く出る。
例えば区議選は都市型選挙のため、いわゆる「風」に左右される。一方地方になればなるほど地元の名士や経営者、2世・3世議員が多い。それは組織票が圧倒的だからだ。市民が単品の私に期待をしたことは何かを改めて分析する。
実はこの地方選挙でどの候補者を選ぶかということが自分の住んでいる自治体の発展、住民生活に大きく関係することを理解していただきたい。

地方議会は国の議院内閣制とは異なり二元代表制である。
二元代表制は選挙で直接選ばれる首長と地方議員による議会が健全な緊張関係を保ちながら対等であることが原則である。首長は執行権・予算案提出権を持ち、議案を議会に図る。その議案の議決権を持っているのが議会である。つまり市長が通したい政策議案が議会で賛成多数にならなければ実行に移せない。ここで大きな課題が出てくる。地方議会は議員内閣制ではないので、本来与党と野党という概念はない。
しかしながら地方議会の実態として市長派と反市長派に分かれてしまっている議会が大多数であろう。議案を通すために市長は与党に顔色をうかがい、議員と取り引きすることもあるかもしれない。また一つの問題点として政党政治の是非が挙げられる。国は政党政治であるが、地方議員は地域の代表であり、必ずしも国の推し進める政策が地方政治に当てはまるわけではない。それはそれぞれの地域が抱える問題が多種多様であるからだ。例えばある党が公務員削減を公約に入れたとする。その政党に属している地方議員は地方議会でも賛成行動をとるが、その自治体は公務員削減は全く必要ないとしたら、地域を本当に考えた政治をしているとは考えられない。しかしながら地方議員の半数はなんらかの政党に属している、もしくは推薦をもらっている。
それぞれ確固たる信念や思想を持っている地方議員が政党に属すことに反対しているのではなく、同じ政党の地方議員と国会議員の政策は地域によって必ずしもイコールではなく、あくまでも住民・地域のことを考え、是々非々で判断をすることが本当の地方政治と言える。それが政党公約とは異なったとしてもある。

私が完全無所属で出馬した理由はここにある。
政党の縛りや一部組織・団体のエゴイズムに拘束されずに、あくまで市民のための政治をするためにはこれらは弊害になると思ったからだ。地方議会に今必要なのは市長提案の政策が本当に市の発展・市民サービスの向上に繋がるかどうかの『是々非々』の目線である。更に、市長がいわゆる与党に顔色をうかがう政治、一部の議員の地元への利益誘導を行う政治を終わりしなくてはならない。しかも役所側も与党議員と野党議員への対応が異なり、実態はほとんど国と変わらないのだ。
全ては政治家が選挙にばかり気を囚われているがためにこういった歪んだ政治が起きるのである。
是々非々の目線で政治を行う地方議員が増えれば増えるほど議会は健全なる二元代表制へと近づく。そして市民が地方議会に関心を持つことで、議員も仕事をせざるを得なくなる。

今はツイッターやFacebook、ブログ等、オンタイムで政治家の言動を把握するツールが拡大している。
政治家は発信も仕事である。議会がない時は何をしているのか全く見えない議員はたくさん存在する。何もしていない議員がいるのも事実である。本来であれば政治家の仕事に制限はなく365日24時間働ける仕事なのだ。
市民の税金で暮らしている我々は当選者として説明責任があると私は思っている。
質問もせず、ただ座っている議員がいることをどれだけの市民が知っているか?
地元の利益誘導にばかり奔走する議員がいることを知っているだろうか?
こういった議員に自分の街を任せて良いのか?
国も地方も財政が厳しく、人口減少社会に突入した時代だからこそ、行政職員と議員の意識改革が肝要であり、任期4年間の市長・地方議員の活動や発言を市民がしっかりと監視し、市民に一番近い政治に対して市民に投票行動に移してもらうことが何よりも大切となる。

真剣に自分の地域のために働く政治家を見極めるために地方議会の課題の解決には市民の目が重要な役割を果たすことになるのは言うまでもない。

 

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