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スポーツ  投稿日:2014/12/28

[瀬尾温知]【疑惑晴らさなかったアギーレ監督】~日本サッカー協会、続投させるのか?~


瀬尾温知(スポーツライター)

「瀬尾温知のMais um・マイズゥン」(ポルトガル語でOne moreという意味)

執筆記事プロフィール

 日本代表のアギーレ監督が、八百長問題に関与したとしてスペイン検察当局に告発をされてから、初めて公の場で潔白を主張した。「サッカーに関わる39年間の仕事で汚点はない。私を信じてほしい」と八百長疑惑を否認したが、日本代表をサポートするファンやスポンサーの疑惑を晴らすだけの根拠は何一つ明示できずじまいだった。

それは、アギーレ監督の銀行口座に振り込みがあったかどうか、その金が引き出されたかどうかの入出金記録についての記者からの質問に、次のように応じたからである。「弁護士のアドバイスで答えることができない。その点については司法で話したい」と、その場で疑惑を晴らす姿勢で会見に臨んでいなかったからである。

つまりアギーレ監督は、司法で無罪を勝ち取る戦いの方が、日本代表をサポートするファンとスポンサーの疑惑を晴らすことよりも重要なのである。日本サッカー界のことを重視していれば「その質問には答えられない」と、肩透かしになる発言は用意しないだろう。弁護士のアドバイスに従うのも、保身からくる態度で、日本代表のことを親身になって考える者の態度ではない。

ワールドカップ・ブラジル大会で惨敗した日本代表が、気を入れ直してロシア大会へ向けて走りだした。その途端に、日本のサッカーを託された指揮官が、記者の質問を袖にした。この場の記者は、託した側の代表としての声を発したのである。その声をおっぽりだした事実は重い。

保身は百歩譲って理解できなくもない。口座の入出金記録について言明しなかったことが、アギーレの本意でなかったとしても、日本代表をサポートする者の疑惑を晴らせなかったことを少しでも心苦しく思うのなら、詫びのひとつでも入れるべきではなかったのか。そうしなかったことが、解せない。

アギーレ監督の腕・器量をはかる前に、アギーレの人となりを尊重できなくなってしまった以上、サッカー界全体が一致団結して前進していくのは難しくなった。それでも日本サッカー協会は続投させるのだろうか。そもそもサッカー協会は、アギーレに口座の入出金記録の事実を確かめたのだろうか。アギーレは公の場で発言できなくても、協会には話す義務がある。

拙者が会見場にいて質問が許されたのなら、「銀行口座の入出金記録の事実を日本サッカー協会から訊かれましたか」とアギーレにぶつけていた。もし、日本サッカー協会が訊いていないとしたら、お人好しもいいところである。2015年の日本代表のスローガンが「お人好しサッカー」にならないことを願いながら、本年最後のコラムを脱稿する。

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