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スポーツ  投稿日:2015/4/11

[神津伸子]【リオ五輪へ駆け抜けろ!女子ラグビー】~サクラセブンズの挑戦~


神津伸子(ジャーナリスト・元産経新聞記者)

執筆記事プロフィール|Facebook

開催地も確定した日本での2019年ラグビーW杯。復興を目指す釜石も試合会場に決定し、盛り上がっている。そんな中、現在、一番リオ五輪に近いと言われているのが、7人制女子ラグビー日本代表・サクラセブンズだ。先週末、男子の公式戦東京セブンズが、秩父宮ラグビー場で開催された中、初めての女子の国際大会も開催され、オランダと対戦した。

試合に先駆けて行われた記者会見でも桜が咲き誇るように、選手も意欲を語っている。目玉は今回、初代表に選出された高校3年生2人。清水麻有と野田夢乃両選手だ。特に、清水選手(トップ画像 向かって右)は東京農大二高で父親・淳一さんが元選手。同校のラグビー部の部長という“父娘鷹”

キラキラ輝く瞳で清水選手は「よく錦織圭選手に似てるって言われます」とおどけるも、リオ五輪をしっかり見据えている。「小さい頃からオリンピックに出ることが夢でした」中学ではバスケットボール部に所属。その前は、陸上、水泳とバリバリのスポーツウーマンだ。

もう一人、ベテランのクールビューティーをご紹介。チームの中核FW・山口真理恵選手。「五輪を意識したことは今まではなかった。ラグビーを小さい頃からやっていたら、今になってオリンピックが付いて来た感じ」と、淡々と語る。得意の“RUNで、敵を翻弄する。

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他にも、サクラセブンズは広告ウーマン、出版社ウーマン、教師の卵など、実にユニークな人材が揃い、人間的にもとても魅力的なチームを形成する。さて、オランダとの試合結果は1勝3敗だった。最終戦で22-7の初勝利を挙げた。

「最終戦のようなゲームを最初からやらないと、これから勝てない。選手たちが力を最初から出せなかったのは、私たちスタッフの責任。もう一度、気持ちのところからやり直したいと思う」 と、JAPANの浅見敬子ヘッドコーチは語る

オランダは日本同様、来年のリオ五輪出場を目指して強化中。日本は4日、7-15、7-22。5日の第1試合は5-29。が、最終戦前、選手ミーティングで改善を図った。前後半わずか各7分ずつで戦うセブンズの特徴は、試合によってリズムが全く変わることだ。

「あ・うんの呼吸です。300日近くチームで一緒に練習しているので、連係プレーが私たちの強さ」(中村知春主将)そして、各国に劣る体格差をカバーするのは“RUN力、穴を見つける眼力、ゲームメイク力になる。14分間を走りぬく体力も合わせて。

今年11月にはリオ五輪アジア予選も控える。最大のライバルは体格、スピード、パワーもある中国だ。「11月に本当にタフな12名のチームが作れるために、1日も無駄にできない」と浅見ヘッド。直前の3月の香港セブンズ大会でカナダに次いで準優勝したサクラセブンズ。一気にリオも引き寄せている。

サクラセブンズの他に類を見ない大きな特徴は、他のスポーツからの転向組が多いこと。サッカー、バスケットボール、バレーボール、陸上などから7人制ラグビーに流入してきている。それはなぜか。「オリンピックに出るために!!」と多くの選手が声を揃える。それだけ五輪に賭ける思いは熱い。今後もサクラセブンズから、目が離せない。

 

※トップ画像/ 今回、初代表に選出された高校3年生2人。清水麻有(向かって右)と野田夢乃両選手。報道陣のリクエストに応えてガッツポーズ。

※文中画像/ ベテランのフォトジェニック、チームの中核FW・山口真理恵選手。香港セブンズでも活躍。

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