[安倍宏行]家入かずま氏が「優しい革命」を本気で実現しようとするなら、本当に「23区全部の区長選と各区議会議員選に候補者を立てること」が必要
Japan In-Depth編集長
安倍宏行(ジャーナリスト)
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選挙が終わり、家入一真氏は直ぐに次の一手を打った。インターネッ党「新東京計画」がそれだ。
それは、
- 120個の #僕らの政策 を出来るものから実施していく。
- ネットコミュニティを作る為、メルマガを発行する。
- 2020年までに東京23区総ての区長選に立候補者を立てる。
という3本柱からなる。
色んな意見が出ているようだが、一度政治の世界に足を踏み入れた以上、家入氏は前に進むしかない。
まず、1「#僕らの政策 を出来るものから実施していく」だが、これは決して荒唐無稽な事ではない。
その手順は:
- 実現可能性の高いもの順にプライオリティを付ける。
- その政策がこれまで無かったのならその理由を、不十分な政策に止まってい るならその理由を分析する。
- その課題を解決する為、最適な政策を立案する。
- その政策(案)を支持してくれる民間人、学識経験者、基礎自治体の官僚、首長、議員を探し、ロビイングする。
- 条例案などを提出するように持っていく。
ということだろう。
大変な作業のようにも思えるが、多くのボランティアに支えられた家入氏が彼らと共にやるべき事だと思う。仮に政策を作らなくても、民間だけで出来るのであれば、ビジネスの手法で課題を解決すればよい。規制が邪魔をするのであればその緩和か、撤廃を訴えて行けばよい。
次に、3「東京23区総ての区長選に候補者を立てる。」だが、これだけでは不十分である。地方政治は二元代表制である。東京都は都知事と都議会議員、双方を都民が選挙で選ぶ。国政の議院内閣制と根本的に異なる。したがって、区長だけを抑えても、議会に多数派を持たなければ、大阪市の橋下市長のように議会と対立するばかりで前に進めないことになる。
したがって、もし家入氏が真剣に彼の言う「優しい革命」を実現しようとするなら、「23区全部の区長選と各区議会議員選に候補者を立てる」ことが必要となる。
どういう形で候補者を集めるのかは、これからだろうが、家入氏ならではのユニークな方法で、「生活者、弱者の視点に立った政治を実現したい」、と思う人を探してほしい。家入氏を支持した人の中にも、斜に構えて観ていた人の中にも、自分が立って社会をより良くしよう!と言う人は必ずいるはずだ。インターネッ党は、地域政党的な性格を持っていると思う。
若者も、高齢者も関係なく、今よりもっと暮らしやすい都政を実現する為に、今後、家入氏がどのような活動を行っていくのか、大いに注目したい。
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