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.政治  投稿日:2018/5/21

行政がねじ曲げられた訳ではない 柴山昌彦衆議院議員


「細川珠生のモーニングトーク」2018年5月12日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(外園桃子)

【まとめ】

・日中韓首脳会談による北朝鮮への3カ国の協力体制が強化。

・北朝鮮との国交が無い中での、日本外交を評価。

・自民党総裁選に向け、諸問題の「原因究明・再発防止」が必要。

朝鮮半島情勢が大きく動く中で、5月9日には東京迎賓館において2年半ぶりの日中韓首脳会談が開催された。北朝鮮情勢においては、北朝鮮に拉致されていたアメリカ人3人が解放されるなど、6月12日の米朝首脳会談への準備が進められている。今回はゲストに自民党総裁特別補佐で衆議院議員の柴山昌彦氏を迎え、今回の日中韓首脳会談会談の意義、米朝首脳会談を踏まえた日本の立場、そして、憲法9条改正に向けた自民党の動きについて、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。

写真)日中韓サミット

▲写真)日中韓サミット 出典)首相官邸

 

■日中韓首脳会談の意義

まず細川氏は今回の日中韓首脳会談の意義を聞いた。柴山氏は「これまで北朝鮮問題に連携して対応してきた日米韓と、北朝鮮と経済協力関係にある中国が、北朝鮮に対して共通認識を持つことが重要だ。」とし、「2年半ぶりの開催であったが、とても良いタイミングであった。」と会談を評価した。

次に細川氏が「日韓での歴史認識問題、日中での軍事問題といった個別の問題を意識したことが大きな目的であったのか。」と質した。柴山氏は「一時期うまくいかない時期はあったものの、北朝鮮という一つの問題を解決することに3カ国とも大きな意義を見出していた。」と述べ、韓国の労働者徴用工像設置の取りやめや、中国との尖閣諸島をめぐる諸問題も協議がなされていたことを挙げ、「3カ国協力体制が見えた。」とのべ、一定の成果があったとの考えを示した。

 

■外交に対する日本国内の評価

細川氏は米朝首脳会談が開催される中で「日本が取り残されているのではないか」と国内に生まれつつある、日本外交に対する懸念を示した。これに対し柴山氏は「中国は経済関係によって交渉が可能であり、米国は軍事力を持っている。しかし日本は安倍政権にかかわらず、これまでに国交がなかった。また、9条により、北朝鮮への攻撃力も保持していない。」と述べ、日本政府が対北朝鮮に対する交渉力が米中に比べ限定的であるとの考えを示した。

一方で、金正日総書記との間での拉致問題の一部解決やストックホルム合意による拉致問題解決への合意などを挙げ、各国との関係の中で北朝鮮との問題を解決しようとしてきた、とした上で「決して日本の交渉力の欠如や安倍首相のスタンスが間違っていたというわけではない。」と述べ、これまでの日本外交を評価した。

 

■自民党総裁選

次に細川氏は「不安定な政局の中、自民党総裁選では憲法改正が大きく影響してくる。」との考えを示した。柴山氏は「政局の要素が大きく関わる可能性も十分にある。」と述べた上で、「ただ憲法改正は日本の国際社会におけるあり方、日本国内の統治のあり方に関わるため、政局にかかわらず議論されるべきもの。」だと主張し、「9条改正に関する国民投票は国民が日本の安全保障について考える非常に良い機会。これが実現できるように、与野党に関わらず憲法改正(9条改正)について着実に臨めるような環境づくりをしていきたい」と意気込みを示した。

さらに細川氏は「政局と無関係に国会が進んでいくためには、安倍首相に対する国民の信頼を得る必要があるのではないか。そしてそのためには何をすべきか。」と質した。

柴山氏は「森友・加計問題、防衛省日報問題、働き方改革に関する調査の問題といった諸問題が安倍内閣の支持率低下につながっている。」と述べた上で、必ずしも安倍首相であったために諸問題が起きたのではなく、政治主導での取り組みの一局面として問題が発生したと述べた。森友・加計問題については「真相究明をして何か行政がねじ曲げられたということではないとを証明すべき」とし、日報問題については「日報の管理の問題にまで遡った原因究明と再発防止という地道な作業が必要」と述べた。

 

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年5月12日放送の要約です)

 「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真)遠山清彦衆議院議員と細川珠生氏©Japan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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