[現役大学生・留学リポート]北京名物!大気汚染で100m先の建物すらかすんで見える!(1)玉本伯森の中国・北京大学留学リポート
玉本伯森(慶應義塾大学・中国留学中)
私は、現在、交換留学で中国の北京大学にて一年間留学をしております。およそ留学期間の半分が終わり、今までの体験や、そこで感じたことを振り返ります。中国留学ひいては中国という国に興味を持っていらっしゃる読者の皆様の参考になればと思います。
8月下旬、北京の空港を降り立った私を最初に迎えてくれたのは、北京名物の淀んだ空気でした。北京の空気の悪さは、ある程度日本でも有名だと思いますが、実際に遠くの建物を見渡せる日は週に2日程しかなく、ひどい日になると100m先の建物すら霞んでいる日もあるほどです。
大気汚染により、多くの企業がその拠点を北京から移す動きも報じられ、都市としての国際競争力の低下も懸念されています。政府も対策を急いではいるものの、原因が、セントラル・ヒーティング、車の排気ガス、河北省での鉄鋼生産など、様々な要因が絡み合っているため、解決は簡単ではないようです。
さて、大学では光華管理学院という、日本でいうところの商学部に所属し、国際マーケティングやミクロ経済学などといった専門科目に加えて、中国文学などいった科目を幅広く勉強しました。
一見、マーケティングや経済学はわざわざ中国に行かなくとも、日本で十分学べるではないかと思われるのですが、実はそうでもなく、日本の国際マーケティングの視点は、いかに中国市場などの新興市場に参入していくかを重視しているのに対し、中国では、いかに自国の市場で競争に勝ち残り、欧米や日本などの先進国市場に参入していくかを重視しているのです。
ミクロ経済学でも、中国において話題になっている不動産に関して、政府がある政策を行った場合、不動産の需給と価格はどのように動くのかといった、実践的な中国の現状を多く学べたと思います。
生活面に関して、北京大学の面積はおよそ東京ドーム58個分と広大な敷地を持っており、自転車が主な移動手段となっています。また、キャンパス内には未名湖といった国家重点保護遺産も存在し、その風光明媚な景色を見に多くの観光客も訪れて、夕暮れには多くのカップルがこの辺りを散歩し、愛を深めるのだとか。
キャンパス内で兵隊が朝練を行い、食事中に、もう党員になった? という会話が飛ぶ、そんな中国ですが、これからも様々な報告をしていきたいと思います。
【リポーター学生紹介・玉本伯森(たまもと・はくしん)】
慶應義塾大学商学部に在籍し、国際金融およびコーポレート・ガバナンスの分野を専攻している。2013年8月にワシントン大学の環境プログラムに参加し、9月からは中国の北京大学に留学中。
現在世界第二位の経済大国となった中国において、いかにビジネスを行うか、そしてビジネスを行う過程で直面するであろう日中間を取り巻く様々な問題に対して、いかにアプローチしてくかを学ぶため、中国留学を決意。
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