[現役大学生・留学リポート]北京大学の講義『実例から学ぶ管理学』が面白い!(2)玉本伯森の中国・北京大学留学リポート
玉本伯森(慶應義塾大学・中国留学中)
今回は、私が留学先の北京大学で、新学期に新たに履修した授業のうち、特に印象が強かった「実例から学ぶ管理学」という授業とそこから感じた中国の大学生について書いてみたいと思います。
中国で最も賑やかな春節が終わり、2月中旬から新学期が始まります。新たに履修した“実例から学ぶ管理学”はその名の通り、実際にあった企業のマネジメントの例を分析し、そこから管理学(日本で言うと「経営学」がしっくりくるかと思います)を学びます。
授業の形式は事前に課されたレポートを読み、授業で議論していく形です。この授業では教授の講義に加えて、グループによる実例の分析とプレゼンテーションが要求されるのですが、ひとつの実例に対して、4つのグループによるプレゼンテーション大会形式となっており、分析の深度や技術などが競われます。
このプレゼン大会に、1グループは2回参加しなければならず、レポートはハーバード・ビジネススクールの英文のレポートを用いているため、発表の際の言語も英語でなければならず、個人的には大変苦労しています。具体的には、IBMやMorgan Stanleyと言った企業のケースを分析し、そこから企業戦略の建て方や人材管理について学び、更にプレゼンテーションでは、日本ではあまり馴染みのないLetvという動画配信サイトを経営している中国系企業の分析を行いました。
このように北京大学、特に私が所属する学部では、多くの授業でグループによるプレゼンテーションを課したり、授業で英語を多用するなど、日本の大学と比べ、グローバル志向と協調性の重視を感じました。
実際、今回私が履修した4つの授業のうち、全てにおいてプレゼンテーションが要求され、そのうち2つは英語によるものでした。そのため、多くの北京大の学生たちはほぼ英語をスムーズに話せる上に、プレゼンテーションにも慣れています。
また、彼らは性格的に比較的アグレッシブで、かつ上昇志向が強い人が多く、現在の自分の能力を更に高め、将来的にもその能力を最大限に発揮できるところで働きたいという思いから、国外での留学を目指しています。
最近では、日本国内の就職市場でも中国の学生が優秀で好まれると聞きますが、やはりこういったところで差が生じていることを身をもって知ることができました。残りの留学生活に目標もでき、この授業は大きな収穫になったと思います。
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【リポーター学生紹介・玉本伯森(たまもと・はくしん)】
1992年中国で生まれ、95年に日本に帰国。
慶應義塾大学商学部に在籍し、国際金融およびコーポレート・ガバナンスの分野を専攻している。2013年8月にワシントン大学の環境プログラムに参加し、9月からは中国の北京大学に留学中。 現在世界第二位の経済大国となった中国において、いかにビジネスを行うか、そしてビジネスを行う過程で直面するであろう日中間を取り巻く様々な問題に対して、いかにアプローチしてくかを学ぶため、中国留学を決意。