未分類  投稿日:2018/10/5

プロとアマの壁が崩壊して起きること

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為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)

【まとめ】

・現在のプロとアマチュアの違いは雇用形態ぐらいである。

・SNSを含む表現方法の普及によってプロとアマの境目がなくなっていく。

・自分で目利きできる能力、その領域に詳しい人が誰かわかる能力が必要である。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイト https://japan-indepth.jp/?p=42339でお読み下さい。】

 

日本にいなかったので見ていないが、facebookの評価を見ていると、紅白で踊った登美丘高校ダンス部がとても盛り上がったらしい。プロがたくさんいるステージで見ても楽しめるレベルだったということはとても興味深い。

ここ数年で、プロ宣言をするアスリートが増えたが、JOCが肖像権一括管理をしていることからぬけることをプロと呼んでいた頃と違い、現在のプロはほぼアマチュアと違いがない。違いがあるとすれば雇用形態の違いぐらいだろう。アマの駅伝選手がプロ選手よりもプロ的な日々を過ごしているのはよく知られている。

そもそもアマチュアとプロフェッショナルとは何か。いろんな見方があるが、私は技能のレベルが一段違い、またその技能によって生計を立てているという認識でいる。ではアマとプロの技能は本当に違うのかというと、もちろん違うところも大いにあるが、領域によってはさほど差がない。

これまではそれでも何かしらの免許や、有名人として認識されることや、ある種のお墨付きによりプロとアマの境目が別れていたが、今後snsを含みあらゆる表現方法が誕生してくるとその境目がなくなっていくだろう。おそらくとてつもないレベルのプロ中のプロの世界と、それ以外のプロとアマが混在した世界に二分化されるのではないか。プロより上手いアマ、アマより下手なプロが誕生すると、次に困ることになるのが、一部を除いて一体誰が本当にすごいのかがわからなくなることだ。

もちろん目利きができる人はいちいちプロだアマだと言われなくても、誰がすごいのかを自分の目で判断するが、それができる人は限られていて、多くの人はテレビに出てるから、権威があるところに評価されているからという理由でその人をすごいと認識する。つまり評価者がお墨付きを与えることに依存している。ところがこのお墨付きがそれほど確かではないというのがわかってきたのが昨今だと思う。もはや何がすごいことかの評価は個人に委ねられた。

▲写真 イメージ図 出典:Pixabay photo by Pexeles

人々がこれから必要とするのは、自分で目利きができるようになる能力、またはその領域に詳しい人が誰かをわかることになると思う。外部からすごいと思われている人と、インナーのコミュニティで評価されている人は違うことはよくある。各領域毎にうまく評価できる人の重要性が高まるだろう。うまく目利きが機能しないことにより起きた問題も昨年は多かった。ある領域で目利きができても違う世界でできるとは限らない

プロとアマの境目がなくなった先には、目利きの世界が待っている。全ての人にチャンスがあるとも言えるが、仕事上選ぶことがある人にとっては疲れる世界でもある。でも、そうなってしまうんだから対応しないとしょうがない。

(この記事は2018年1月2日に為末大HPに掲載されたものです)

 

トップ画像:イメージ図  出典:Pixabay photo by geralt

 

 

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この記事を書いた人
為末大スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役

1978年5月3日、広島県生まれ。『侍ハードラー』の異名で知られ、未だに破られていない男子400mハードルの日本 記録保持者2005年ヘルシンキ世界選手権で初めて日本人が世界大会トラック種目 で2度メダルを獲得するという快挙を達成。オリンピックはシドニー、アテネ、北京の3 大会に出場。2010年、アスリートの社会的自立を支援する「一般社団法人アスリート・ソサエティ」 を設立。現在、代表理事を務めている。さらに、2011年、地元広島で自身のランニン グクラブ「CHASKI(チャスキ)」を立ち上げ、子どもたちに運動と学習能力をアップす る陸上教室も開催している。また、東日本大震災発生直後、自身の公式サイトを通じ て「TEAM JAPAN」を立ち上げ、競技の枠を超えた多くのアスリートに参加を呼びか けるなど、幅広く活動している。 今後は「スポーツを通じて社会に貢献したい」と次なる目標に向かってスタートを切る。

為末大

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