【ゴマをするな】~新・社会人へのメッセージ~
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・ゴマをするな
・人の悪口や噂を言うな
・縁の下の力持ちに優しく
新社会人へのメッセージ特集、読んでくれたでしょうか?色々な寄稿者からのかなり普遍的なメッセージが並んでいますので、是非ご一読を。
さて、私からは34年間のサラリーマン生活を振り返り、皆さんに幾つかアドバイスを。人それぞれなのであくまでご参考程度に聞いてください。
1 ゴマをするな
ゴマすりはどこの世界にもいます。自覚があるのかないのか、兎に角、上の者に媚びへつらう人間はごまんといます。(ゴマすりだけに)そういう人の常として、上には“へいこら”し、自分より下の者には“傲岸不遜”に振る舞います。大体この二つセットになってますね。(笑) 悲しいですが。
そして、虎の威を借る狐さんもこれまたたくさんいます。自分が偉いわけでも何でもないのに、なぜそうなるのか、私には意味不明ですが、実際問題、存在するので仕方ありません。
そういう人たちの特徴として、下の者に高圧的に接してきます。今風に言えばマウンティングでしょうか。なんとか自分の言うことを聞かせようとしてくるのです。自分を偉いと勘違いし、人を自分の影響下に置きたいのでしょう。
そういう人には絶対に屈しないでください。一度その軍門に下ると、一生家来のような扱いを受けます。毅然とした態度を貫くことです。
筋を通すことです。
自分は誰の部下で、どのラインにいるのか。英語ではReport to~といいますが、“自分の報告義務はだれにあるのか”を絶えず念頭に仕事をしましょう。
自分のリポートライン外からの仕事を請け負ってはいけません。それが組織というものです。そうした態度を貫けば、やがて相手も無理難題を吹っ掛けてこなくなるでしょうし、あなたの上司や同僚からの評価も高まるでしょう。
2 人の悪口や噂を言うな
組織の中では驚くほど人の悪口や噂話が跋扈しています。確かに聞いていて面白いので、人が集まればそればかり、といっても過言ではありません。ライバルの情報収集と思って噂話を収集している人すらいるくらいです。
こんな経験があります。とある女性が私のところに来てこう言いました。「安倍さんのカネとオンナの話があったら俺にすぐ教えろって○○さんに言われたんですけど、何なんですかね?」と。(笑) その女性にそう言ってきたのはなんと私の同僚でした。
その人とは特段険悪な仲でもない、いやむしろ悪くない関係だと思っていたので、意外でしたね。というか、私を嗅ぎまわっていることがばれてしまっては元も子もないと思うのですが・・・なんだかその人が哀れに思えてきて、苦笑してしまいました。早速その同僚に「そんなに俺に興味があるなら、直接聞いてよ、水臭いなぁ」と言おうと思いましたが止めました。(笑) そこまで暇ではなかったので。
という具合に、組織では人のうわさなどを収集し、他人の足を引っ張ろうという人がたくさんいます。人を蹴落として自分の相対的ポジションを上げたいのでしょう。
そういう人が周りにいたらそのサークルには入らないことです。聞いていて面白いからと言って一緒になって人のうわさ話や悪口を言うような人間にならないでください。同類と思われていいことはありません。そういう人は結局組織では高い評価を得ることは出来ないのです。なぜなら信頼されないからです。信用できない人に仕事を任せないですよね?当たり前のことです。でもとても重要な事なんです。
3 縁の下の力持ちに優しく
どの組織にも縁の下の力持ちが入るものです。自分よりポジションが下の人はもちろん、守衛さん、配車センターの人、社用車の運転手さん、受付の人、保守保安の人、などなどです。そういう人たちに威張る人がいるんですね。なんなんでしょうか?
そういう人たちに朝会ったら「おはようございます!」と挨拶する。何かお世話になったら「有難うございます!」と御礼を言う。それだけでもいいんです。彼らはきっとあなたの事を覚えてくれるでしょう。
私は季節の折々、ちょっとしたものを届けていました。ひな祭りには受付の女性たちに桜餅を配ったり、夏の暑い日にはガードマンさんたちにアイスクリームを持って行ったり。ちょっとしたことでいいんです。そんな心遣いが他人に出来る人になってもらいたいのです。必ずいいことがありますよ。
上司にせっせとお中元やお歳暮など付け届けをしている人がいますが、そんなことに大金をつかうなんて馬鹿げています。それより身の回りの人を大切にしましょう。そういう縁の下の力持ちの皆さんのおかげで仕事が出来ていることに感謝することが大事なんです。そういう人は長い目で見て結局得をします。
さあ、新しい生活が始まります。世の中、厳しいことや嫌なこともありますが、捨てたものでもないんです。会社生活、楽しいものにするか、嫌なものにするか、すべては自分次第です。きょうも気持ちよく行ってらっしゃい!
トップ写真:イメージ 出典:PAKUTASO
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この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員
1955年東京生まれ。ジャーナリスト。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。
1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。
1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。
2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。