ゴーンと司法
.政治  投稿日:2019/4/30

「日本版国家経済会議が必要」小林鷹之衆議院議員


「細川珠生のモーニングトーク」2019年4月20日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(石田桃子)

 

【まとめ】

・消費増税は、社会保障の充実という効果も評価すべき。

・国家戦略の根幹は、経済戦略と安全保障戦略。それらを根本で支えるのは教育。

・経済戦略と安全保障戦略が重なり合う「経済安全保障」の視点を強化し、縦割り構造改めるべき。

 

今回のモーニングトークのテーマは経済問題。財務省出身の小林鷹之・衆議院議員(自民党)をゲストに招き、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

 

まず細川氏は、現在の景気状況について「『戦後最長の好景気』と言われているが、あまり実感がない」と指摘。約半年後に迫った消費増税は、消費の抑制をますます強め、経済の好転につながらないのではないか、と懸念を示した。

 

政府は、今年1月の月例経済報告を受けて、「2012年12月に始まった景気回復期間は、戦後最長になったとみられる」との見解を示してきた。(内閣府HP茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年1月29日3月20日)しかし、この見方には、疑問の声も挙がっている。その根拠は、同じ1月の景気状況を示す「景気動向指数」である。政府は景気の基調判断を「下方への局面変化を示している」とした。これは、景気後退が数カ月前に始まった可能性が高いことを表すもので、4か月ぶりの下方修正であった。

 

小林氏は「景気全体の基調としてはそんなに心配はしていないが、経済は生き物」と述べ、消費増税の実施には経済状況の見極めが肝心との考えを示した。また、消費増税によって増加した税収が、財政の健全化だけでなく幼児教育の無償化など社会保障の充実にも充てられることを説明し、「消費増税をできるだけ広い、いろいろな角度から評価する必要がある」と主張した。

 

細川氏は、消費増税対策や東京オリンピックの終わりを見据え、「一番不安なのはその先」と述べた。中国や東南アジアの成長、米中関係の変容など、世界経済が大きく動く中で、「日本がこれから世界を間違いなくリードする分野を伸ばしていく必要がある」と述べ、小林氏の意見を聞いた。

 

小林氏は、世界における日本の立ち位置について「先頭集団をもう走っていないんじゃないかという懸念もある」と述べ、以下のように考えを説明した。

 

日本が世界をリードするために必要なのは以下の2点である。

 

1.教育

教育がイノベーションを支え、イノベーションが国家戦略の根幹である、経済戦略と安全保障戦略を支える。

2.現在の日本の技術力を守ること

虎の子の技術を持つ会社が、外国の企業に買収されることを防ぐ仕組みを作る必要がある。

 

また、どの分野で日本が世界をリードできるかという細川氏の問いに対しては、「政治が決める話なのか」と疑問を示し、「民間企業が頑張れる環境を作るのが政治の1つの仕事」という考えを述べた。

 

細川氏は、原子力産業に言及し、小林氏が国家戦略の二本柱の一つとして示した安全保障にとって、エネルギー政策は重要な要素だと述べた。さらに、「日本の技術力は海外から高い評価を得ているが、民間主導であるがために世界で戦えないという状況もある」と指摘した。小林氏の「米国家経済会議(NEC)の日本版をつくるべき」という主張にも触れ、その上で、「日本の経済を大きくしつつきちんと国産を守る」という政策の、具体的な実現方法を聞いた。

 

小林氏は、原子力産業については「色々な角度から考えなくてはならない」と述べた。

具体的には、以下のように説明した。

 

・原発稼働は、安全性を確保するのは大前提であるが、冷静な議論をして前に進めなくてはならない。

・廃炉にも高度な技術が必要であり、若い人が原子力を学ぶ意欲を高める必要がある。

・世界最高水準の技術を持っている日本が、世界の原子力産業の市場から手を引くことによる、安全保障上の問題を考慮すべき。

 

 

また、日本版NEC」の設置については「絶対に必要」と強調した。国家経済会議(NEC)は、経済戦略と安全保障戦略が重なり合う「経済安全保障」の分野を担う組織だという。小林氏は、エネルギーや金融、通貨、先端技術や情報といった視点から安全保障を考える必要があると主張。そのためには、安全保障は防衛省や外務省に任せるという従来の縦割り構造を改め、NECのような、政府全体にまたがる組織をつくる必要があると述べた。

 

細川氏は、小林氏を「新しい仕組みを作って、将来にわたって大きな責任がある世代」と述べて、対談を締めくくった。

 

 

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年4月20日放送の要約です。)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分〜7時20分

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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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