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.政治  投稿日:2019/8/5

「憲法改正、与野党の枠を越えて。」衆議院憲法審査会幹事 衆議院議員木原稔氏


「細川珠生のモーニングトーク」2019年7月27日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(髙橋十詠)

【まとめ】

・自民党の使命は憲法改正に挑み、議論すること。

・憲法審査会の全会一致に関しては「今はそういうルール」なので変わらない。

・自民党は憲法改正に向け努力をする方針だが、まずは各党の意見に基づいてやっていく方針。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=47195でお読みください。】

 

先日、参議院選挙が行われ、投票結果に注目が集まっている。今回のゲストは、自民党の衆議院議員、衆議院憲法審査会幹事の木原稔氏。有権者の意思をどのように受け止められたか、政治ジャーナリスト細川珠生が話を聞いた。

選挙結果を受けとめ、木原氏は、選挙公約にも政策集にも憲法改正を掲げて選挙に臨んできた自民党として、「憲法改正に挑み、議論をしなければいけない。それが使命だと思ってる。」と述べた。

つづいて細川氏は、改憲戦力3分の2議席の確保には至らなかったことで、改憲が遅れるのではないかと聞いた。木原氏は、「今回衆議院は改憲戦力を維持しているが、参議院は確保できていない。従って、合意してもらえる努力をする必要があり、与野党の枠を越えて改正案を練り上げて行かなければならない。」と述べた。

さらに自民党は改憲4項目として(1)自衛隊の明記、(2)緊急事態条項の創設、(3)合区の解消、(4)教育無償化の明記を国民に示しており、木原氏は「これをたたき台としてこれから与野党に柔軟な姿勢で働きかけていきたい。」と意気込みを示した。

細川氏は、自衛隊明記については自民党の支持層にも異論があることを指摘し、あくまでそれにこだわっているのか聞いた。

もともと自衛隊明記ではなく9条の2項を削除し、そのものを変えるという立場だった自民党。しかし、国民の意見などをみて、9条を維持した上で「9条の2」を追加する、いわゆる「創憲」の形をとった経緯を木原氏は説明した。

これに対し、細川氏は「実際、日本の国防体制としては変わらない。やる意味はあるのか?」と疑問を投げかけた。

▲写真 木原稔衆議院議員 ©️Japan In-depth編集部

木原氏は、憲法で自衛隊の位置づけや、自衛隊員の誇り、命がけで働いてくれる存在に対しての尊敬がしっかり図れること、裁判所の違憲判決とならなくなることを挙げ、「最後は国民投票。国民に問うのが我々の責務。」と述べ、憲法に表記することで事態が変化しないこと以上に大きな意味があるとの考えを示した。

また、細川氏は、9条改正のたたき台ということもあり野党は「それがある以上議論はしない」と頑な意見があることに対し、どう打破していくか聞いたところ、木原氏は、「緊急事態条項から入れば良い。合区の解消からでも良いと思う。」と述べ、自衛隊明記が時間かかるならそこは順番を入れ替えても良いと答えた。

しかし、順番を入れ替えるといっても、9条改正がある以上拒否するのが野党の言い分ということに対して、細川氏は「やはり憲法審査会の開催くらいはやらなければと思う。野党にももちろん責任はあるが、力のある与党がどこで折り合いをつけるか注目している。」と述べ、憲法審査会を開くための全会一致について、変えようがないのか聞いた。

木原氏は野党とは「ある程度の一点の合意形成を努力して行く。」と答え、また憲法審査会に関しては「今はそういうルール。先輩方が築いてきたこと。」であり、全会一致のルールに従うとの考えを示した。

さらに、細川氏は公明党が憲法改正に対し慎重になっていることを挙げ、公明党にどのような働きかけをするのか聞いた。木原氏は、自民党の中で整った案を、野党より前にまず連立政権のパートナーである公明党に理解を求める姿勢が必要だという考えを示した。

最後に細川氏は、安倍総理は任期までに国民投票を行う考えだろうから、選挙結果にかかわらず憲法審査会を開くことに努力すると思うか、聞いた。

木原氏は70数年間憲法改正がないことに触れ、「制度疲労をきたしているから変えないといけない、と思ってる人は多くいると思う。早めの方がいいと思ってるが、まずは審査会において各党の意見をしっかり聞いて、それに基づきやっていきたい。」と今後の意気込みを語った。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年7月27日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:©️Japan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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