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.政治  投稿日:2019/10/13

「総理の判断を正しい方向へ導く」内閣総理大臣補佐官木原稔衆議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生のモーニングトーク」2019年10月12日放送

淺沼慶子(Japan In-depth編集部)

 

【まとめ】

・首相補佐官として、総理と国民を直接つなぐことが重要な役割。

・朝鮮半島非核化に向け、北朝鮮に合意内容履行を促す必要ある。

・エネルギー安全保障は重要課題。中東情勢の緊張緩和図りたい。

 

今回のモーニングトークでは、自民党衆議院議員で内閣総理大臣補佐官の木原稔氏をゲストに招き、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

木原氏は先月の内閣改造を経て、国家安全保障担当の首相補佐官に就任した。木原氏は補佐官の立場について、「特定の重要政策の企画立案について総理に助言をする役割。英語でいうとSpecial Adviser to the Prime Minister。(総理に)企画立案をし、具体的にエビデンスを見せながら、総理の判断を正しい方向へ導く 」ことだと説明した。

細川氏は、「総理大臣はどこか守られた立場でもあり、国民の様子など外の空気が分からないこともある。(両者を)直接つなぐ意味でも重要な役割だ」と述べた。

木原氏は同意した上で、「私が積極的に現場に出向き、政策がきちんと機能しているかどうか確かめて、総理に必要な助言を直接行う」ことが重要だとの考えを示した。

次に細川氏は、日本が直面する国家安全保障の問題として北朝鮮問題に触れた。最近も北朝鮮の漁船と水産庁の監視艇が衝突し、更には北朝鮮のミサイル発射が頻発しているなど、事態は緊迫している。しかし、国民から見れば日本政府は北朝鮮問題に対し反論していないように思える。細川氏はこうした事態を踏まえ、北朝鮮問題についての日本の防衛の原則について聞いた。

木原氏はこれに対し、2002年9月の日朝ピョンヤン宣言が原則だ、と述べた。拉致、核、ミサイルの3つを包括的に清算し、国交正常化を目指すという考えに変わりはない、という。しかし、頻繁に行われている弾道ミサイル発射については「明確な安保理決議違反であり、大変遺憾」だと述べた。

そして、「北朝鮮は技術の高度化を図っている。日本だけの問題ではなく、国際社会にとっても深刻な問題だ。米朝首脳の共同声明にもあったが、朝鮮半島の完全な非核化が一番重要であり、北朝鮮の合意が完全かつ迅速に履行されることを追求していかなければならない」との見解を示した。

ⒸJapan In-depth編集部

次に細川氏は緊迫する中東情勢に関して、アメリカとの同盟関係や今後の日本政府の対応について聞いた。

木原氏は、中東地域から日本の石油の8割以上を輸入していることもあり、「中東地域における緊張の高まりは日本にとってはマイナスだ」と懸念を示した。加えて、木原氏はサウジアラビアの1日の石油採掘量の6%がストップしたことが石油価格に響いた事に触れた。今回はサウジアラビアの緊急増産やアメリカの備蓄開放により、世界の原油市場は大きなダメージを回避することが出来た。しかし木原氏は「日本にとってエネルギー安全保障は極めて重要だ」と強調し、「国際社会の平和と繁栄にとって中東問題は喫緊の課題だ」との考えを示した。

又、木原氏は中東問題は世界経済につながる問題だとして、日米同盟を堅持することが必要だとし、「日本はアメリカとイランの両国と良好な関係を築いている。敵対するアメリカとイランの間に入って、友好的関係を築いてもらうための役割を果たしていくべき」と述べ、中東地域の安定に日本が積極的に貢献していくことが必要だとの考えを示した。

これに対して細川氏は「安易に有志連合には加わらないということか」と聞いた。木原氏は「イランも日米同盟については勿論理解している。イランに事情を説明をしながら、常日頃の人脈やコミュニケーションを活かして円滑に進めたい」と述べた。そして、日本主導で日本がどういう立場をとるか考えていきたい、との考えを示した。

こうした緊迫した国家安全保障上の問題、特に石油に関わる中東問題は日本にとって重要な問題だ。一方で、北朝鮮のミサイルも頻繁に行われて慣れてしまっていること、中東情勢もどこか身近な問題には感じにくい部分があるのもまた、事実だ。細川氏はこうした重要な問題について国民にどう理解してもらいたいか、聞いた。

木原氏はまず第一に、「日本では当たり前のようにエネルギーが供給されているが、当たり前ではないということを伝えていきたい」と述べた。又、各国と粘り強く対話を続け、中東地域の緊張緩和を目指したいとの考えを示した。そして、「これは大変だが非常に重要な仕事であり、世界平和に繋がる。内省的にも外交的にもこの仕事を理解してもらう必要がある」と述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年10月12日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ画像:©Japan In-depth編集部

 


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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