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.国際  投稿日:2020/3/2

欧州で新型ウイルス感染拡大


Ulala(ライター・ブロガー)

フランス Ulala の視点」

【まとめ】

・新型コロナウイルスによる感染者、欧州でも拡大中。

・仏では医療関係者にも感染広がる。

・握手とビス(頬へのキス)や集会を禁止する通達出る。

 

イタリア市民保護局は2月26日、新型コロナウイルスによる感染者は死者を含めて400人になったと明らかにした、ドイツやスイス、ルーマニアでも同日、国内初の感染が1件ずつ確認され、ヨーロッパでの感染が広まり始めたことが確認された。しかしながら、25日には、ローマでフランスやスロベニアなどイタリア周辺国の閣僚会合が行われた結果、イタリアとの国境封鎖は実施しない方針を決定したのだ。

フランスで新たに就任したオリヴィエ・ヴェラン連帯・保健大臣は、個人の行動を制限できない現状で、国境閉鎖しても意味はなく、世界各地に広がっている新型コロナウイルスによる国内での流行は「不可避」だと警告した。

そして、患者がいつ現れても大丈夫な体制を作り上げていくと、新型コロナウィルス感染に対応できる病院を70件増やし、108件にしたことを発表したのだ。

28日には、首都パリからおよそ70キロ離れたオワーズ県で、中国やイタリアに出国はしていない、フランス国籍の中学校技術教師の男性(60)から、亡くなる当日に新型コロナウィルスの感染が確認された。この患者を対応した医療関係者は、亡くなる当日まで感染を知らなかったため、なんの予防処置もせずに対応していたという。その後、次々と医療関係者から感染者が確認されている。

ベラン保健相は同日、記者会見を行い、「国内で新型コロナウイルスが広がっている」と述べ、北部オワーズ県や南東部オートサボワ県など複数の地域で集団感染が起きているという認識を示した。

そして、とうとう29日にはフランス国内での新型コロナウイルス感染件数が100人に達した。同日イタリアでは、感染件数はすでに1000人を超え、死者は29人に達した。この記事が出る時点でもっと感染者の人数は増えているだろう。

フランスでの集団感染は、亡くなる寸前に感染が確認された患者を受け入れた病院関係者の他に、イタリアによく出張していた男性から引き起こされたオートサボワ県でも起きている。アヌシー市から約10km離れた町民6000人ほどの町、ラ・バルム=ド=シヤンジーで起こったのだ。

イタリアへの出張から帰った男性およびその家族の感染が確認された時点には、すでに感染が広がっており、町役所関係者にも感染していた。そして、町長および約120人が出席した集会にて集団感染したのだ。フランスでは15日に各自治体で市町村長選挙(地方選)が行われるため、現在フランス各地でこういった集まりが数多く開かれている。

集会を行ったことが悪いのではないかと責められながらも、メディアで町の感染状況を伝えていた町長だが、29日には町長自身も感染が確認された。いかに多くの人々が集まる場が、集団感染の危険性が高いかがうかがいしれる。しかも、フランスでは挨拶する時、握手やビス(頰を合わせてリップ音を立てる)をする習慣があり、この習慣がさらに感染を広げる大きな一つの要因になっている。

ベラン保健相からも28日には「握手」をしないようにとフランス全体に伝えられていたが、ラ・バルム=ド=シヤンジーの町長も、29日、自身の感染を公表するビデオで「握手とビズ」をしないように呼びかけた。

ベラン保健相は29日、国内での新型コロナウイルス感染拡大を受け、5000人以上が集まる室内でのイベントや、一部の屋外イベントを禁止する方針を明らかにした。

一方、15日に統一地方選については、ベラン氏は「現時点で中止は考えていない」と述べている。1日にパリで予定されていたハーフマラソンの主催者は、大会の延期が発表された。

 

参考記事)

Coronavirus: la barre des 100 cas atteinte en France, un premier mort aux États-Unis

Coronavirus | Coronavirus : le maire de La Balme-de-Sillingy, François Daviet testé positif

 

トップ写真:新型コロナウイルス感染対策の閣僚会議に出席する仏マクロン大統領 2020年2月29日 出典:仏大統領府


この記事を書いた人
Ulalaライター・ブロガー

日本では大手メーカーでエンジニアとして勤務後、フランスに渡り、パリでWEB関係でプログラマー、システム管理者として勤務。現在は二人の子育ての傍ら、ブログの運営、ライターとして活動中。ほとんど日本人がいない町で、フランス人社会にどっぷり入って生活している体験をふまえたフランスの生活、子育て、教育に関することを中心に書いてます。

Ulala

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