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.社会  投稿日:2020/8/19

手越祐也という男を皆さんは誤解している


西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表) 

【まとめ】

・手越祐也さんほど理解されていない芸能人は珍しい。

・「ファンのため」「即行動」まるで起業家精神。

・手越さんが手越さんである限り、ファンの期待を超えるだろう。

 

「てぃ!」(編集部注:手越さん十八番のかけ声)

元ジャニーズ事務所所属、NEWSのメンバーだった手越祐也さんの著書「AVALANCHE ~雪崩」が話題だ。

いや、物議をかもしているといったほうがいいだろう。

過去の週刊誌などで噂になった女性芸能人との関係を「釈明」しているからだ。嘘が嫌いな正直者と自負する手越さん。新たな出発にあたっての自分なりの整理をしたつもりが、逆に世間やファンからの反発があったようだ。それを受けて、手越さんも「やっちまった」と動画で反省するほどである。

▲写真 手越祐也フォトエッセイ「AVALANCHE ~雪崩」(双葉社)

詳しく読んでない人からは「そんなに話題性欲しい?」「独りよがりじゃね」「女性芸能人について勝手に書いて」とのバッシングを受けた。

噂になった女性や所属事務所からしたら「いらんこと言うな」と思われているだろう。

今回はやらかしたのかもしれないが、手越祐也さんほど、彼をよく知らない人から理解されていない芸能人も珍しい。

 

■ 手越祐也さん、32歳

知らない人のために、手越祐也さんの経歴を紹介しよう。1987年11月11日生まれ、横浜市港北区出身。15歳でジャニーズ事務所入り、NEWSで芸能界にデビュー。NEWSとは今回あるスキャンダルで無期限活動停止になった「山P」こと山下智久さんを中心とする当時は9人組。当時ははじっこのほうにいて、垢ぬけない少年だったのが記憶に残っている。ダウンタウンの浜田雅功さんにテレビ番組の中で、いじられていたことを覚えている人も多いだろう。

しかし、NEWSに数々の不祥事や自主的な脱退者がでて人数が減る中、どんどん存在感を増し、ついには中心人物になった。その要因の1つが歌のうまさ。歌唱力はジャニーズで一番とも言われ、後輩を指導するほど。高校時代、授業後にボイストレーニングを自腹を切って受けていたように、努力によって築き上げた。

日本テレビの「イッテQ」で見せていたように、一生懸命頑張る姿をお茶の間に見せてきた。そして、垣間見られる愛くるしさ。愛嬌がある、とっても明るく、前向きなキャラクターでもあり、You Tubeの謝罪動画で示したように、失敗と思ったことは素直に反省するところも人間らしい。

退所会見でも、一部の人にはかなり身勝手な印象を与えているようだが(参考記事)、「僕はウソをつかない」といったようにまっすぐ向き合う「正直さ」も魅力的だ。

彼を見ていて、元気になる人も多いだろうし、「手越ならしょうがない」と思った人も多いだろう。僕もそんな一人だ。

しかし、彼の世間のイメージ、彼の活動をよく知らない人にとっては「ちゃらい」「遊び人」「軽い」などなどマイナスイメージの多い人間でもあった。人とは連絡先を気軽に交換するため、女性との付き合いも多かったようで、人脈も幅広いため、結果的に悪い筋との付き合いなどもあったようにみえるなど、スキャンダラスに批判されるなどしてきた。

他のジャニーズメンバーがうちうちで交友を深めたり、言い方が悪いが群れているように見えるのとは対照的に、経営者・サッカー選手などと幅広く交流しているなど、普通のジャニーズタレントとは少し違った行動を垣間見せてきた。

自身でも認めているように「スーパーポジティブ」。即行動の行動。記者会見でもメディア相手に何時間も未来を語り、話術や頭の回転の速さを見せている。

明治大学付属中野中に受験で入学し、高校は当初付属高校に進学したものの、堀越高校に転校して、卒業している。高校時代も勉強ができたと言われている。話術も含めて、たんなるジャニーズタレントの枠には収まらない能力の高さを、彼をよく観察すれば見えてくるのだ。

 

■ ファンをここまで大事にする?、新時代のエンターテイナー

ジャニーズ事務所のタレントの中でも「ファン」を元気にしたいと強調していたタレントの1人でもあった。

「ファンのために~」という割には、ぶっきらぼうに対応するタレント、ビジネスだから、客商売だから、仕方なくファンサービスをするタレントは本当に多い。

しかし、手越さんは違う。彼は「ファンを愛したい」「元気にしたい」とあらゆる場面で宣言するのだ。今回の本でも「ファンには絶対に幸福でいてもらいたい」と強調する。自意識過剰でかっこつけている面はあるが、彼の言動や行動を見ていると、どうやら本心のようなのだ。

そのほか、彼の名言にはこんなのもある。

「アンチは俺のことを叩いてることによってスカッとしてる!それはその人のためになってる。だからアンチは俺に『ありがとう』を言うべき!」

「身の回りに起きた良いことも、悪いことも、すべてに感謝して。だって、どの経験もひとつでも欠けたら、今の俺にはならなかったから。」

「やっぱりチャレンジすることが大事。失敗か得るものはたくさんあるから。どんどんチャレンジして栄養を自分に蓄えてほしい」

「劣等感や能力不足って、結局は努力で埋めていくしかない。逃げられないから」

(【出典】「「日本中のハートを奪いたい」手越祐也名言100選」などから)

正直言うと起業家のようなメンタリティなのだ。

▲画像 出典:YouTube 手越祐也チャンネル

たしかに、独立の記者会見もYouTubeでその裏側も見せているなど、YouTubeの登録者はなんと152万人にまで増えている。そこでは、一般人向けに曲を募集したり、無人島生活「手越島」など様々な企画を実行に移している。

手越祐也が切り拓く新しいエンターテイメントの可能性。手越さんが手越さんである限り、彼の歌唱力やその能力でファンの期待を超えてくれるだろう。

トップ写真:手越裕也氏 出典:@YuyaTegoshi1054


この記事を書いた人
西村健人材育成コンサルタント/未来学者

NPO法人日本公共利益研究所(JIPII:ジピー)代表、ターンアラウンド研究所共同代表・人財育成コンサルタント、事業創造大学院大学国際公共政策研究所研究員・ディレクターなど。


慶應義塾大学院修了後、アクセンチュア株式会社入社。その後、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)にて地方自治体の行財政改革、行政評価や人事評価の導入・運用、業務改善を支援。独立後、組織改革、人材育成コンサルティング、政策分析、メディア企画、ソーシャル・イノベーション活動を進めている。


専門は、公共政策と社会心理。近年は、中国の先端技術、世界のスマートシティ、人工知能などテクノロジーと社会への影響、個人情報保護と民主主義の在り方、企業の利益相反、健康医療・福祉政策などをテーマに研究や執筆を進めている。

西村健

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