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.政治  投稿日:2020/9/25

山尾志桜里氏東京比例で出馬


安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)

【まとめ】

・国民民主、次期衆院選比例代表東京ブロック単独1位で山尾志桜里衆院議員擁立。

・玉木代表、山尾氏比例擁立は票の掘り起こしと党勢拡大の為と説明。

・国民、東京選挙区で議席が取れるか注目。

 

国民民主党は9月24日、次期衆院選の公認候補14人と、比例代表東京ブロック単独1位として山尾志桜里衆院議員の擁立を発表し、院内で記者会見を行った。山尾氏は愛知7区選出だったが、今回鞍替えとなる。

会見で山尾氏は冒頭、愛知7区の有権者にこれまでの政治活動を支えてくれたことに対して感謝の言葉を述べた。

山尾氏は小学校から大学まで東京都武蔵野市で育ち、学び、働き、今も実家のある同市に済み、両親のサポートを得ながら子育てをしていることを明かした。

東京比例区に臨む議員として、子育ての問題に腰を据えて取り組みたいと述べ、待機児童問題の検証と課題を見極めて建設的な提案をしていく、とした。

▲写真 山尾志桜里氏 出典:Facebook:@yamaoshiori

また、党の憲法調査会長として、「プロセスの革新は公開と参加型で、憲法においては、時代の要請にこたえる規範性を回復することだ」とし、「新しい時代の新憲法草案」のたたき台を年内めどに出すと述べた。その上で、「60点、70点のものでも出してみんなでベストのものに作り上げていく。改正が必要なものを世論に喚起して国民対話のスタートラインとしたい」と意気込みを語った。

また、国会の中では審議拒否は原則しないこと、憲法調査会の議論は速やかにメディア、有識者、市民に完全フルオープンにすることなどを約束した。

また、山尾氏かねてからの主張である、「データ基本権」については、

「デジタル社会の発展の為には国民政府に一定の信頼よせることが必要だ。憲法議論の中で昇華させたい大きな柱のひとつだ」と述べた。

加えて、「地方自治の本旨の具体化」や、グローバリズムのリスクヘッジ、国家の尊厳としての「食料安全保障」、「エネルギー安全保障」の問題、さらには「憲法の規範性」についても重要課題として取り組む姿勢を強調した。

憲法規範性については、「三権分立が少し歪んでいる」とし、具立て的には「解散権の制約」、「臨時国会の開催要件の明記」を例としてあげた。また、「憲法裁判所の提起により、憲法違反は裁判所が違反と宣言できる仕組みを整えていく」と述べた。

会見で玉木雄一郎代表は、山尾氏を比例ブロックで擁立した理由について聞かれ、「山尾氏が東京ブロックで立つことは東京で党勢拡大の大きな足掛かりだ。全国的な党勢拡大の起爆剤と期待している」と述べた。

また玉木氏は、今回の山尾氏の比例での擁立に関し、小選挙区の総支部長数名の了承の上で決めたことを明らかにした上で、「前回参院選で水野素子氏を擁立し、当選できなかったが票は掘り起こした。衆議院で言えば1議席くらいの票頂いた経緯もある。全体の底上げということで比例に出てもらうことにした。小選挙区で2議席目、3議席目が見えてくる」と述べた。

最後に山尾氏は「提案型で、偏らない、政策的に頼れる政党があるんだよ、ということを都民に知ってもらいたいという強い気持ちがある。比例で出ることで党を知ってもらいたい。みなさんが希望を託すことができると言う流れの一助にになるならと思う」と述べた。

確かにこうして1議員の鞍替えで記者が集まることも珍しい。山尾氏の知名度ゆえだろう。

一方、有権者からしたら立憲民主党に大量移籍した後の国民民主党の存在意義は確かにわかりにくい。大票田の東京で山尾氏の知名度を最大限活かしたいという思惑が見え隠れする。

いずれにしても、衆院選では30万票以上取れないと当選は出来ない。東京で議席が取れるか取れないかの瀬戸際なのだ。

厳しい状況には変わりないが、一方野党第1党となった立憲民主党は共産党と選挙協力することで一致している。つまり野党連合政権が誕生すれば共産党が政権に入る事を意味する。それを嫌気して国民民主党に残ったのが玉木代表であり、山尾氏であり、前原誠司氏ら15人なのだ。

多くの有権者は自民党総裁選に目を奪われ、こうした野党の動きを見ていないが、将来の政治を占う上で、極めて重要だ。いずれにしても衆院選は総遠くはなかろう。どの政党、どの政治家に未来を託すのか。考えるきっかけをくれたのだとしたら、この会見も意味のあるものとなろう。

トップ写真:記者会見 玉木雄一郎代表と 2020年9月24日 出典:@yamaoshiori


この記事を書いた人
安倍宏行ジャーナリスト/元・フジテレビ報道局 解説委員

1955年東京生まれ。ジャーナリスト、産業能率大学客員教授。慶応義塾大学経済学部、国際大学大学院卒。


1979年日産自動車入社。海外輸出・事業計画等。


1992年フジテレビ入社。総理官邸等政治経済キャップ、NY支局長、経済部長、ニュースジャパンキャスター、解説委員、BSフジプライムニュース解説キャスター。


2013年ウェブメディア“Japan in-depth”創刊。危機管理コンサルタント、ブランディングコンサルタント。

安倍宏行

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