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.経済  投稿日:2013/10/10

[安倍宏行]介護の話をしよう


Japan In-Depth編集長

安倍宏行(ジャーナリスト)

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アラ還で起業した私だが、知ってか知らずか、長年契約している生命保険会社の営業マンからいきなり電話がかかってきた。早速、会ってみると、要は、死亡保険金もらうより、介護状態になった時に備えたらいかが?ということだった。

私が契約している生命保険は、「有期払込終身保険60歳払込済、保障額1000万円」である。後2年ほど毎月2万円弱の保険料を支払う事で、終身1000万円の保障を得る事が出来る。

で、その営業マン氏が持ってきた「試算書」には、

  1. 解約して360万円程の解約返戻金を手にする
  2. 保険料の支払いを止めてしまう

等の例が載っていた。

確かに、私の年ともなれば、子供も成人していようし、何千万もの死亡保険金はいらない、という考えもあるわけだ。で、注目したのが②の例。保険料の支払いを止めれば当然死亡保険金は1000万円ではなく、これまで支払った保険料総額に見合った910万円程度に下がるが、毎月の2万円弱の保険料を新たに「終身介護保障保険」に充当することが出来る。

介護といっても、身近に介護が必要な人がいない限り、ピンと来る人は少ないかもしれない。かくいう私も今年に入り、95歳の母親(去年まで問題なく1人暮らししていた)が突然要介護2から3になって、初めて介護保険のお世話になるまでその中身を知らなかった。

で、在宅介護の場合、負担額は、要介護2の場合で年間60万円、要介護5なら100万円に上るとの試算もある。(財団法人家計経済研究所調べ)施設介護となれば、その負担は更に増える。介護保険にはどのようなものがあるのか、更に話を聞くと、①掛け捨て型と②解約返戻金が支払われる型があるという。

①の掛け捨て型は毎月の保険料は割安だが、終身払い続けなければいけない。例えば、要介護状態になった時、介護一時金120万円、要介護状態が続いていれば毎年120万円出るプランだと、月保険料は16,000円程度となる。

②のプランは、例えば、5年ごと利差配当付終身介護保障保険(死亡給付倍率10倍)だと、払込期間は15年、介護一時金60万円、年金年額60万円で、月保険料は38,000円超となる。何故こんなに高くなるかと言うと、死亡保障600万円がついている事、600万円程度の解約返戻金があることによる。つまり積み立て型ということだ。

さらに、貯蓄のつもりで一括払いする人も結構いるという。上記の②のプランだと、580万円超保険料を支払えば、終身年額60万円の保険金が支払われ、かつ死亡保障600万円と、600万円程度の解約返戻金がある。

公的介護保険で要介護・要支援と認定されている人は、約533万人(注1)。この数字は、公的介護保険がスタートした2000年に比べ、訳2.5倍にも上る。

介護は他人事などではなく、いつか自分に降りかかってくる身近な出来事なのだ。

 

(注1)2012年4月現在。厚生労働省 介護保険事業状況報告(暫定)に基づく試算。

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