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.社会  投稿日:2021/3/9

在日米国大使館も女性活躍支援


長森ルイ

「ある一人の名もなき女性起業家コラム」

【まとめ】

・女性起業家を支援・育成する為の2つの画期的なプログラムを紹介。

・1つは、在日米国大使館の助成金プログラムでシカゴでの研修含む。

・女性起業家に是非チャレンジしてもらいたい。



3月8日は国際女性デーである。

さして日本では一般的であったとも思えないこの記念日が、この数年で急速に広まり、企業がSDGs部門のアワードを設けたり、キャンペーンが行われたり、SNSもIWD(International Women’s Day)関係のハッシュタグがついた投稿で賑わうなど、かなり浸透してきたのではないだろうか。

しかも今年は特に、(不名誉な話ではあるが)かつてないほど日本における男女間格差について世界から注目が集まった年といえる。せっかく注目が集まったのだから、ぜひこの機に、いや頑張ってるところは頑張ってるんですよ!という思いとともに、女性起業家を支援・育成するための2つの画期的なプログラムを紹介したい。

1つ目はADVANCING WOMEN IN ENTREPRENEURSHIP、そして2つ目が、6-WEEK STARTUP BOOTCAMPである。

▲写真 出典:Home — Startup Lady

ADVANCING WOMEN IN ENTREPRENEURSHIPは、在日米国大使館の助成金プログラムで、なんと費用フルカバーでシカゴでの海外研修に行けるというもの。渡航費、プログラム参加費、滞在費など、日本国内交通費以外のすべてがカバーされる。なんて贅沢な。

日本で「アメリカのスタートアップ」といえばまずまっさきにシリコンバレー、ついでSXSW(サウスバイ・サウスウエスト)開催地であるオースティンなどが脳裏に浮かぶと思われるが、実はシカゴもかなりスタートアップエコシステムが発達している都市であることはあまり知られていないと思う。

2012年に設立されたデジタルテックインキュベーターである「1871」をはじめ、企業支援のコンサルティングUBIグローバルが実施する「大学などの高等教育機関と提携するインキュベーターランキング」で2018年に1位に選出されている。

今回はこのなんとも魅力的な都市、シカゴの方から実はお誘いがあったのだ。日本から将来有望な女性起業家を招きたい、しかも在日米国大使館の助成金つき、という考えられないような棚ボタな話であった。

あまりにいい話すぎて一瞬耳を疑ったけれど、本当に在日米国大使館と打ち合わせがはじまり、ああこれはウソじゃないんだとなぜか私が嬉しくなった。日本の女性起業家を育てるためにお金を出してくれる機関がいるとは!私がこの募集条件に合致している女性起業家だったらまず間違いなくアプライするであろう。

日本のスタートアップシーンはまだまだ質量ともにかなり層が薄い。ましてや、その中で女性のファウンダー、女性の起業家となると、もう本当に悲しくなるほど数が少ないのが現状だ。こんなに女性!女性!女性活躍!…と(一部では耳タコな方もいるのではと思われるくらい)叫ばれているにもかかわらず、である。

この先日本が魅力的な国であり続けるためには、女性起業家の質量どちらも上げていかなければならないが、まずはこちらに臆さずチャレンジしてみてはどうだろうか?起業家にとってMove fastの精神はとても大事だ。しかもさんざんコロナに悩まされた1年のあとだ。沈んだ分だけ、ぜひ高くジャンプしてもらいたいと思う。

そしてもう一つは、6-WEEK STARTUP BOOTCAMP。主に駆け出し女性起業家を対象とし、プロダクトがものになってきてマーケットテストをし始めるあたりから、さらなる実践的スキルを身に着けて成長路線を目指してもらうための、6週間集中パックとなっている。

こちらは基本的にオンライン×オフラインのハイブリッド予定で、オフラインがあった場合には日本国内となる。マーケティングやファンディングはもちろんのこと、起業時に意外におろそかになりがちなリーガル面の講義等も含まれ、最後には女性キャピタリスト(女性VCグローバルコミュニティWomen in VCの東京支部)によるVCの視点からみたピッチトレーニングがついてくる、というフルラインナップだ。

そして意外に日本で今まで開催されていないのだが、これらのプログラムが「すべて英語で」行われる。英語に対して内心のハードルがある女性起業家がまだ多いのは承知の上で、それでも、これからは無理にでもここを打破するべく仕掛けていかなければ、このまま日本は沈んでいってしまう。

が、元来適応能力が高い女性のことなので、英語は自信がない…という人でも、話始めれば結構あっさりここはいけるのではないかと考えている。なんせ語るのは自分のビジネスのことだ。この世で自分以上にそれを理解している人はいないので、誰にも負けるはずはない。あとは実践あるのみ。しかも基本オンラインなので、恥ずかしいこともないし。

ADVANCING WOMEN IN ENTREPRENEURSHIPのシカゴ派遣は2021年秋の予定だが、応募締切は3月31日。6-WEEK STARTUP BOOTCAMPが開催されるのは2021年4月中旬~6月にかけての6週間。

シカゴの方に応募してしまってから、さて頑張ろう!と奮起して6-WEEKを受講する、というのもきれいな流れかもしれない。いずれにしても、世界への扉は今あなたの手の中にある。いつまでも「どうにかしないとねー」と言ってるばかりでははじまらない。まずは行動に移してみてはどうだろうか。私なら、そうする。

2021年国際女性デーによせて、ある一人の名もなき女性起業家より。

▲写真 イメージ 出典:Photo by CoWomen on Unsplash

ADVANCING WOMEN IN ENTREPRENEURSHIP
6-WEEK STARTUP BOOTCAMPの公式プレスリリースはこちら

トップ写真:イメージ 出典:Photo by Tatiana Rodriguez on Unsplash




この記事を書いた人
長森ルイ

慶應義塾大学卒業後、デンマークの海運世界最大手Maersk Lineに入社。その後フリーランスの日英バイリンガルMC/通訳として主に国際会議やスポーツ国際大会、海外トレードショー等で活躍し、2013年株式会社キャリーオンを設立。まだ着用できる子ども服が誰かの新しい衣類になるというサステイナブルな循環創出を通して、アパレル業界で深刻な課題となっている環境問題の解決及びSDGsゴール12に寄与した。Startup Lady Japan理事、One Young World Japan理事。アントレプレナーシップを備えた女性およびノンバイナリのグローバル人材育成や、日本を支える次世代リーダーの育成にも注力中。

長森ルイ

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