バヌアツから東京五輪へ 柔道選手インタビュー
相川梨絵(フリーアナウンサー・バヌアツ共和国親善大使)
「相川梨絵のバヌアツ・ニュース」
【まとめ】
・バヌアツ柔道81KG級代表、ヒューゴ・コンボ選手、五輪初出場。
・得意技は、内股と、谷落としから右の小外がけです。
・目標はバヌアツ柔道初の1勝を上げること。
東京オリンピック開催まで約一か月。
日々、インターネットニュースではオリンピック開催賛否の記事が踊り、状況が目まぐるしく変わっていく中、バヌアツでは、オリンピック出場選手が確定しだした。
ここで、バヌアツ代表選手を一人ずつ、インタビュー形式で紹介する。
今回は、ヒューゴ・コンボ選手。柔道81KG級
フランス人の両親のもと、1996年5月11日誕生。当時両親は既にバヌアツに住んでおり、ヒューゴ選手も生まれた時からバヌアツで育つ。祖父、父と柔道家で、ヒューゴ選手も5歳の時に自然の流れで柔道を始める。最近の主な戦歴は2019年サモアパシフィックゲーム5位、香港インターナショナルオープン8-16位。
Q 調子はどうですか?
ヒューゴ選手:毎日の練習をこなし、オリンピックに向けて順調です。
Q 東京があなたにとって初めてのオリンピックですか?
ヒューゴ選手:そうです。2012年のロンドンの時から出たかったんだ。そのために努力をしてきました。特に、今回の東京オリンピックに出場できてうれしいです。だって、柔道発祥の地ですからね。
Q 世界中からたくさんの柔道家が集まりますが、楽しみですか?
ヒューゴ選手:まずは、太平洋州の柔道家の友達に会いたいです。オーストラリアやサモアなどが参加します。試合となると、TOP8の選手たちと戦いたいです。その中には、日本人やモンゴル人もいます。どの選手と対戦するかわかりませんが、トッププレーヤーと戦えるのはうれしいです。
▲写真 ヒューゴ選手 提供:筆者
Q 日本人で好きな選手はいますか?
ヒューゴ選手:大野将平選手です。彼の柔道スタイルが好きです。彼は73KG級なので、対戦はできませんが、彼の試合を直接見られるのは楽しみです。それと、山下泰裕選手は、僕の憧れです。
▲写真 ヒューゴ選手と筆者 提供:筆者
Q あなたの得意技は何ですか?
ヒューゴ選手:内股です。あとは、谷落としから右の小外がけです。
Q オリンピックでの目標は?
ヒューゴ選手:ますは、初戦に勝つこと。バヌアツの柔道家は、まだ、オリンピックで一勝もしたことがないから。
Q オリンピックが一年延期になりました。この一年はどうでしたか?
ヒューゴ選手:私にとっては、ラッキーな一年でした。というのも、去年、肩をケガしていたので、この一年で治療に専念できました。オリンピックに向けて、準備もできました。
Q バヌアツはコロナウィルス無感染国です。オリンピックに向けて、国外に出ることに不安はありますか?
ヒューゴ選手:恐怖はないです。サニタリーバリアさえ守れば、問題ないと思うし、私はワクチンも打ちました。サニタリーバリアを守れば、オリンピックを楽しめると思います。
Q 今後の予定を教えてください
ヒューゴ選手:7月15日に日本へ向かいます。オリンピックは7月23日から始まり、私の階級の試合は28日です。そして、8月9日の閉会式まで、日本に残り、11日にバヌアツへ戻ります。
柔道はスポーツだけでなく、生き方だと語るヒューゴ選手。
黒帯まで到達することを目指し、こつこつ続ける。それが、人生の目標に向かって生きる姿勢に通ずると。
彼の黒帯には、カタカナでブンケルの刺繍。これは、鉄壁のシェルターの意味で、彼の幼少期からのニックネームだ。その名の通り、力強い守りで、バヌアツ初の一勝をつかむのか。
▲写真 ヒューゴ選手の帯 Ⓒ相川梨絵
バヌアツ柔道家ヒューゴ選手、柔道発祥の地で、トップクラスの柔道を満喫してほしい。
トップ写真:ヒューゴ選手 提供:筆者
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この記事を書いた人
相川梨絵フリーアナウンサー・バヌアツ親善大使
1977年6月10日生まれ。茨城県出身。2000年、共同テレビに入社し、フジテレビアナウンス室へ出向。フジテレビアナウンサーとして、主に情報番組、バラエティ番組などで活躍。2006年、フリーに。2012年、結婚を機にバヌアツへ移住、バヌアツ親善大使に任命される。