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.JID  投稿日:2014/6/11

[Japan In-depthニコ生公式放送リポート]北朝鮮の真の意図は?北朝鮮問題のスペシャリストが一刀両断!


Japan In-Depth編集部|Japan In-depthチャンネル 2014年6月7日(土)放送

 

5月29日、ストックホルムで開かれた日朝協議で、北朝鮮が、日本人拉致被害者と、拉致された疑いがある特定失踪者などすべての日本人に対する全面的な調査に応じると約束した。これまで「拉致問題は解決した」という立場をとっていた北朝鮮に再調査の約束を取り付けたことは外交上の勝利だという声もあるが、はたして本当に北朝鮮は行動を起こして結果を出すのか。

DSC_0770本番組では、多くの信頼できる情報ルートを持ち、北朝鮮問題に精通するコリア国際研究所所長の朴斗鎮(パク・トジン)氏に、この問題の深層を解説してもらった。

なぜ今、このタイミングで合意を得ることができたのか?日朝関係を巡っては、今年3月に拉致被害者横田めぐみさんの両親が孫のキム・ウンギョンさんと面会するなどの動きはあったものの、唐突感が否めない。朴氏は2つの理由があると解説した。

一つは北朝鮮の内部体制が、張成沢粛清後 いまだに安定していないこと。そして二つ目は、中国との関係が悪化して外貨の獲得が難しくなり、統治に必要な資金が枯渇してきたと見られることだ。

金正恩体制以降、北朝鮮は、去年3月「ワシントンを核打撃で火の海にする」と発言するなど、好戦的発言を繰り返しており、中国の不信感が高まっているという。こうした中国との関係悪化を受けて、日本から経済的支援を引き出そうという狙いと、拉致問題の解決を公約に掲げた安倍政権との利害一致を利用して米韓を揺さぶろうとする狙いがある。

一方で、中国にとって、北朝鮮は安全保障上、非常に重要な役目を担っている存在であり、中国と北朝鮮の関係が完全に断裂することはあり得ない。安易に日本が北朝鮮の描く筋書きに乗ってしまうことは非常に危険だとも指摘する。

日本は今回の合意の中で、北朝鮮側が特別委員会を設置した時点で、人的往来の規制、現金持ち出しの届け出義務、人道目的の北朝鮮籍船の入港禁止といった日本独自の制裁措置を一部解除することや、適切な時期に北朝鮮に対する人道支援の実施を検討することなどを受け入れた。

特別調査委員会が設置された時点での北朝鮮への制裁解除については時期尚早であるとの声もあり、与党内ですら反発の声は大きい。

さらに、朴氏は、今回の合意について、犯罪としての拉致問題と戦後処理としての日本人遺骨問題や在留日本人の問題をごちゃまぜにしている点に北朝鮮の罠があると警鐘を鳴らす。複数の要素を敢えてごちゃまぜにし実行の手順を曖昧にした上で、利益を引き出した後に、見解の相違を盾に「ちゃぶ台をひっくり返す」のは北朝鮮の常套手段だ。

今回の北朝鮮のやり方は、2005年9月の六カ国協議の合意の際とよく似ていると朴氏は指摘。この合意では、米朝の主張をいっしょくたにして行動の後先も決めなかったために、北朝鮮の遅延戦術に引っかかってしまったという。北朝鮮がすべての核兵器及び既存の核計画の放棄に同意したにも関わらず、結局1万8000ページの報告書と冷却塔の爆破(費用はアメリカ負担)だけで、アメリカなどから重油100万トン、韓国からは毎年食糧50万トンと肥料30万トンの支援引き出し、テロ支援国指定まで解除させられた。だがその後、非核化の検証方法に異議を唱え結局6カ国協議から離脱し、2009年5月には再び核実験を行った。同じ轍を踏む危険性も否定できない。

実際、今回の朝鮮新報の報道を見ると、北朝鮮のスタンスは「日本が悔い改めたから調査をしてやってもよい」というものであり、「外交的勝利」とする一部日本の識者の見解とは大きくずれている。本来であれば拉致問題は犯罪であり、謝罪と賠償を求めるべき問題だ。もっと日本は強気に出るべきだ。

では、日本は今後、どのような点に注意して、北朝鮮に対応していけばよいのか。

まず、一つのポイントは、

この問題を日本の独自行動とともに国際的協調の枠組みの中で解決していくことである。拉致問題は北朝鮮と日本の二国間の問題であるが、北朝鮮を取り巻く問題は核・ミサイルなどもある。六カ国協議の枠組みを絶対に崩さず、北朝鮮が経済的に困窮している現状を十分に活用し、渡り合っていくことが重要だ。

そして、日本側がきちんとした着地点を決めることだ。日本政府は、真相解明、犯人引き渡し、被害者全員の帰国をもって「解決」とすると主張しているが、この原則を貫きながらどこを終着点とするのかをはっきりと相手に示し、日本国民が納得する解決を図る必要がある。

北朝鮮は安倍政権に対して「拉致問題の公約を実現できなければ政権が倒れるぞ」と脅しをかけ、支援だけを引き出そうとする可能性がある。その脅しにどう対応するか、安倍政権は最悪の事態までを想定した覚悟と準備が必要だ。

北朝鮮は平気で約束をひっくり返す国柄だ。しかし日本はそうはいかない。相手が約束を守らなかったからといって北朝鮮のような無法な措置はとれない。ここに北朝鮮に付け入られる要素がある。日本は、北朝鮮が「合意破棄」で揺さぶってきた場合。それをはねつける勇気を持たなければならない。そうすればく苦しくなるのは北朝鮮である。落ち着いて冷静さを持って駆け引きすれば北朝鮮はすり寄ってくるはずだ。期待を持って注視したい。

 

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