<そのアクセス数値、本当に大きいの?>朝日新聞と連携しても苦戦?ハフィントンポスト日本版の現実
Japan In-Depth編集部
世界最大級のインターネット新聞「ハフィントンポスト」日本版が鳴り物入りでスタートして1年がたった。現在、ハフィントンポスト日本版のユニークユーザー(UU)は月間1000万であるという。ページビュー(PV)は非公表であるが、おそらく、月間5000万PV前後ではないかと推察している。
この5月に開催された日本版一周年記念イベントの席で、日本版編集長の松浦茂樹氏は次のように述べた。
「月間1000万ユニークユーザーを達成したのは『読者によって記事が拡散されたこと』による。今後もSNS等を通して情報を広めていく」
月間1000万UUという数値を「達成」と表現し、その評価と今後の展望と展開に期待をしているわけだ。しかし、ここでちょっと誤解しがちの1000万という数値。一般的に個人ブログなどのレベルで考えれば途方もない数値であるように見えるが、大手資本が注入された商業WEBメディアという点でみれば、決して十分な数値ではない。
世界最大級のWEBメディア「ハフィントンポスト」の日本版で、しかも、朝日新聞との連携という前提で考えれば、もしかすると「0が一つたりない」と見ても決しておかしくないのではないか。しかも一年もかけて、だ。少なくとも現段階では、完全に「想定外」の水準であるように見える。
例えば、私たちJapan In-Depthは、それぞれ他に本業を持った編集長・副編集長・編集委員が時間の隙間を使った個人的な努力で成立している。トータルでも数名のアルバイト・スタッフによる必要最小限での運営だ。ハフィントンポスト日本版からしてみれば、組織的には「蟻と巨人」どころか「ミトコンドリアと巨人」と言っても過言ではない。
しかし、組織的には遥かに小さなJapan In-Depthでさえ、月間のPVは5月段階でおよそ「580万PV」。スタートは昨年の10月なので、ちょうど開始から8ヶ月目の数値である。UUもPVもおそらく、ハフィントンポスト日本版の10分の1程度の数値であろう。組織的には「ミトコンドリアと巨人」でも、数値や影響力的には「子供と大人」ぐらいの違いしかないわけだ。
この数字をどう見るかは意見の別れるところかもしれないが、ハフィントンポスト日本版に一層のテコ入れが必要であることは間違いないだろう。これからのWEBメディアを考える上でも、ハフポスト日本版の今後の行方と動向については注目してゆきたいところだ。
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