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.政治  投稿日:2023/1/20

博物館を空き校舎に提案したが【高岡発ニッポン再興】その48


出町譲(高岡市議会議員・作家)

【まとめ】

・高岡市博物館移転問題、美術館の大規模改修や敷地内新設の可能性が大きい。

・移転先として旧平米小学校の校舎も候補地にしてほしいと提言した。

・角田市長は「小学校の空き校舎活用は想定してない」と回答。

 

再び高岡市博物館についてです。今後、どのような形で整備されるのか、焦点になると思います。今ある美術館には、「藤子・F・不二雄ふるさとミュージアム」があります。ドラえもんの生みの親である藤子・F・不二雄氏は高岡市出身で、その生涯や作品を紹介しています。

このミュージアムは2015年オープンしました。美術館の中に、急遽、スペースが設けられたのです。

このため、美術館はただでさえ手狭だと言われています。高岡市では、美術館と一体的に整備する方向とのことですが、現在の美術館を増改築しなくても、一体的に整備できると考えているのでしょうか。私が12月議会でこう質問したところ、高岡市の生活環境文化部長は「今後、具体的な整備手法を検討する中で、美術館の増改築の可能性」と答弁しました。

普通に考えれば、美術館の大規模な改修や、美術館の敷地内に新設する可能性が大きいのです。巨額の資金が必要になりますが、財源措置については「具体的な整備手法や時期の検討と併せ、その時点の財政状況等を踏まえて、適切に検討してまいりたい」。

財源措置もあいまいなのですが、高岡市は、突き進む方向ばかりを強調しています。博物館にいくらかかるかわかりませんが、元高岡市幹部は、資材が高騰しており、50億円ぐらいかかってもおかしくないと分析します。総務省などによりますと、博物館建設に有利な地方債を使ったケースは少なく、仮に総事業費50億円なら50億円丸々、高岡市が負担しなければならない可能性があるのです。

それでは博物館をどこに移転すればいいのか。私は移転先として、旧平米小学校の校舎も候補地にしてほしいと提言しました。

旧平米小学校は、去年4月に空き校舎になりました。しかし、耐震工事も行われており、一部の校舎は平成13年に建てられました。比較的新しいのです。地理的にも条件がいいのです。高岡市の古城公園や、土蔵づくりの家が立ち並ぶ山町筋にも近く、歴史・文化エリアとみなされています。

高岡市は公共施設の再編を進めていますが、博物館を旧平米小校舎に移転することで、公共施設が一つ減ることになります。また、空き校舎の有効活用は、「もったいない」精神、SDGsの理念にも合致していると思います。

さらに、重要なのは、財政面です。空き校舎を転用すれば、有利な地方債を使えます。旧平米小学校跡地を博物館に改修する際、借金しても、国からお金が戻ってくるのです。これは、交付税措置と言われています。人口減少が避けられない中、未来の世代への借金はできるだけ少なくした方がいいのです。

そこで、私は角田悠紀市長に質問しました。博物館の移転先として、空き校舎の活用についてどのような考えを持っていらっしゃるのでしょうか。

これに対し、角田市長は、「博物館の移転先として旧平米小学校の空き校舎活用は想定してない」と述べ、私の提案は退けられました。議論なきまま、博物館移転は進んでいきそうです。

トップ写真:空き校舎になった旧平米小学校(筆者提供)




この記事を書いた人
植木安弘上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授

国連広報官、イラク国連大量破壊兵器査察団バグダッド報道官、東ティモール国連派遣団政務官兼副報道官などを歴任。主な著書に「国際連合ーその役割と機能」(日本評論社 2018年)など。

植木安弘

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