.国際  投稿日:2014/7/9

[藤田正美]<外国資本から敬遠される中国>成長力が凋落する中国経済は、バブルを弾けさせることなく収まるのか

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Japan In-Depth副編集長(国際・外交担当)

藤田正美(ジャーナリスト)

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成長力が明確に落ちている中国経済が、バブルを弾けさせることなく収めることができるのかどうか、弾けた場合に世界経済にどれほどの影響を及ぼすのか。少しだけ大げさに言えば、世界は固唾を飲んで見守っている。

何せ世界第二位の経済大国。ただしアメリカやEU、日本などとは違う論理で動いている国だ。経済構造は大きく違うが、ロシアなどと同じように、政治思想も経済思想も違うことははっきりしている。

いま中国については、輸出一辺倒で高度成長を続けてきた経済を、内需(主に個人消費)で経済を牽引する構造に変えるべきだという議論がしきりにされている。そうすれば、貿易黒字も小さくなって、摩擦も小さくなるというわけだ。

どこかで聞いたような話である。かつて日本の貿易黒字、とりわけ対米黒字が大きくなったとき、アメリカからしきりに円の切り上げや内需の拡大を求められた。いまの中国とよく似ている。とはいえ、大きく違うこともある。中国は1人当たりGDPではまだ発展途上国のレベルにある。日本よりも全体では大きいが人口が10倍なのだから当然だ。

日本は輸出依存度を引き下げるように調整していった。そしてバブルが崩壊した後、内需を中心に景気回復を図ろうとして財政資金を公共事業に注ぎ込んだ。それが現在の1000兆円を超えるという政府債務の始まりである。

さて中国の場合はどうだろう。FT紙に興味深いコラムが掲載されていた。HSBCのアジア経済専門家Qu Hongbin氏のコラムである。タイトルは「中国のリバランシングは危険な思い込み」とあった。リバランシングはアメリカの外交政策から来た言葉だから、中国もそういう話かと思ったが、違った。【参考 ※要登録サイト】

ポイントは消費主導の成長モデルというのは誤りであるというところにある。その例証として取り上げられたのが、1970年代以前のアメリカと中国の比較だ。中国のほうがGDPに占める消費の割合が高かったのに、1990年代などに比べると成長率ははるかに低かったというのである。

それに消費主導の成長は家計が債務を負うということにつながる(クレジットや住宅ローンなど)が、それがデフレ傾向のときには足を引っ張るというのである。日本が失った20年と同じ話だ。

たしかに100兆円を超える不良債権や300兆円とも言われるシャドーバンキングなどのことを考えると、消費主導と言われてもとても足りないというのが本音だろう。これらの重荷を解消するには、やはり外資を中心とする投資マネーが必要だ。

しかし中国が、資本主義国とは違う論理で、さらに外交的には覇権主義に傾いていると見られていることが、外国資本に敬遠される原因の一つ。習近平政権にとってはどんどん舵取りが難しくなりそうだ。

 

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