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.政治  投稿日:2023/12/29

岸田総理続投は80%超、大阪万博批判も夏には収束へ 【2024年を占う!】内政


結城豊弘(テレビプロデューサー・政治経済ジャーナリスト)

【まとめ】

・岸田総理に強烈な個性がないからこそハレーションも弱い。これが逆に延命のキー。

・9月の総裁選で岸田総理の続投は80%以上。その雰囲気で解散総選挙か。

・大阪万博バッシングも夏頃にはおさまる。開催時期が近づけば人気が出る。

 

初めての寄稿となるリポートがいきなり、2024年の展望と予想ということで大変申し訳ない。この原稿を書いている現在は日テレ系の地方局・福岡放送に来ている。昨日は、永田町に取材にいき、経済人らと話をして、テレビ局や新聞社を走り回っていた。明日12月23日は九州6局ネットの生放送報道特番の演出を筆者は担当しているので、小雪の舞う博多で原稿を書いている。

この博多の地もタクシーがつかまらず、福岡空港で20分ほど待ってやっと乗った。ドライバーは「最近、博多も韓国や欧米の人も、日本人の観光客も多くて、大変なタクシー不足。運転手がコロナでみんな辞めた。高齢ドライバーは戻らないね。ホテルも人手不足でホテルマンがいなくて、そこに働き方改革だ。100%は稼動できないみたいだよ」とボヤいた。せっかくの観光客や景気のチャンスをどうやら人手不足で逃しているとの見方だ。

全国で同様のことが起きている。中国人観光客は戻っていないにも関わらず、欧米や韓国、台湾のインバウンドも多い。あちこちの観光地でタクシー不足や宿泊ホテル、飲食店の人不足が深刻だ。全国ハイヤー・タクシー連合会によれば個人タクシーを除くドライバーの数は2023年3月末時点で約23万人。コロナの前の2019年から2割減ったという(日経新聞2023年12月20日)。

ライドシェアも今年はきっと加速するかと思われたが、中途半端な動き。2024年の4月から条件付きで利用できるようにはなるというが、タクシー会社が運行管理をして、タクシーがつかまらない深刻な地域だけの限定解禁となる。なんと中途半端なやり方だろうか。

やるなら真剣にやらないと問題の解決にならない。法改正の議論は6月ということなのだが、ここで予言しておこう。便利であればみんな使うし、中途半端でハードルが高ければ廃れてしまうだろう。欧米を旅したことがある人なら、ライドシェアの利便性と普通にみんなが使う状況をご存知だろう。今回業界団体の圧力に配慮した形の政府。こんなことすら決断できない岸田政権にサジを投げそうになる。

事業の構造改革や規制改革。ここを2024年にバンバンやらないと日本は、周回遅れどころか置いてきぼりになってしまう。

原発稼動もそうだ。岸田政権は原発再稼働を明言したが、追加の原発はまだ動かない。筆者は原発反対の立場ではあるが、電源不足に陥って混乱するのなら、今の日本としては、なんとか再エネを増やしながらも、安全をしっかりと確保して今のところは、使える原発を動かすしかないという考え方だ。これが多分、一番現実的なのだろう。2024年はテロ対策の不備で再稼働が進まない、柏崎刈羽原発が動くと筆者は見ている。東京電力はすでに柏崎刈羽原発が動くものとして、織り込んで電力代を計算しみなさんに請求している。それこそ政治決断もあるかもしれない。

さて、政治はなかなか混沌としている。私も政治記者の端くれとして永田町や地方議会を40年近く歩いて来た。2023年12月13日の第212臨時国会閉幕後、自民党の派閥の政治資金パーティー収支問題はどんどん大きくなっている。これはただではすまないという感触を強くする。

官房長官の松野博一らを更迭したがマスコミの報道も過熱。検察の本気度とボルテージも上がる。

2023年11月30日の清和会座長・塩谷立の「キックバックの慣習については、あったことはあったと思う」とあっさりと認めたところから潮目が変わった。前参院幹事長の世耕弘成は驚き、すぐに忠告の電話をかけて撤回をせまる。夕方には塩谷はトーンを落とし「事実確認をしている訳ではないので、一切の発言を撤回したい」とした。これには筆者も記者たちも驚いた。そしてこの対応が検察を本気にさせた。

ある野党の幹部は「もともと政治資金パーティーのキックバックは政治家の秘書が給与補填にもらっていた。パーティー仕事のお疲れ様という意味。だから誰もそんなものと思っていた節がある。政治家ももしかしたら知らなかったケースもあるのでは」と教えてくれた。

しかし、政治資金収支報告書にキックバック分の記載が無い場合(不記載)、政治資金規正法違反になるのは間違いない。額の多少の問題ではない。意識と法律の問題なのだ。

さて、マスコミ界隈を中心にまたまた選挙の話と予想が飛び交う。筆者は、2023年春、統一地方選挙のあとに「絶対に解散はない」と断言した。その後6月にも広島サミット直後の解散説が流布された時「今年の選挙はない。やりたくても出来ないし、岸田さんはやりたくない」と力を込めて語った。そして筆者の”選挙無し”の予言は、みごとにあたり続けていまにいたる。

キャスターの辛坊治郎氏はテレビやラジオで「岸田総理はゾンビ内閣。死にそうで死なない」と表現したが、筆者も同感だ。

ここで予言をすると岸田総理ののらりくらり打法もそろそろ限界が近いとは思うがでもまだいけるかもという感触。

ただ、このまま支持率が下がり続け、一月に政治資金パーティー収支問題が事件化して、逮捕者が出るかもしれない。それも大物政治家逮捕となると、世の中は黙っていない。その時は、自民党の中でクーデターが起こり、岸田総理の首をとりにいく倒閣運動が起こり、自民党内部が大揺れになる。

その理由は、自民党員の根底にある「選挙に負けたくない。下野したくない」という自己防衛本能のボタンが押されるからだ。過去にも小泉純一郎政権誕生の時に、このボタンが押され、その結果「自民党をぶっこわす」と叫んで”変人”宰相が誕生したのだった。

それらの結果、9月の総裁任期をまたずに自民党総裁選に突入するということも考えられる。

ただ筆者はその可能性は低いとみる。理由は、岸田総理のキャラ。言葉が何故か伝わらない。決めているような決めていないような、不思議なしゃべり。強烈な個性がないからこそ、ハレーションも弱い。これが逆に延命のキーだと見る。

当時の(この原稿が出る頃には役職が変わっているはず)の萩生田光一政調会長は、11月の講演で岸田総理を評して「予告編が長く、中身がミスマッチ。国民は違和感があると思う」と語っている。

2021年の総裁選出馬会見の勢いのある、記者からの質問にメモに目を落とすことなく淀みなく答えていた時の岸田総理や、広島サミットの時に各国首脳と英語で渡り合い、エスコートする堂々たる岸田総理の姿を取り戻せば、話は違ってくる。

実は岸田さんには不思議なポテンシャルがある。この見方をしている記者はかなり少ない。

と、ここまで書いてきたが筆者の予想は、9月の任期切れで総裁選突入。そこで新たな総理が決まるだろう。岸田総理の続投も80%以上あると思う。そしてその雰囲気を利用して解散し国民の信を問う。こんなシナリオになると思う。

日本の景気について最後に触れると、景気は上向き、株価も安定。国際情勢はいろいろと日本に影を落とすが、輸出はそれほど悪くない。

大阪万博バッシングも夏頃にはおさまる。理由は1月以降には各パビリオンの概要がどんどん出てくるからだ。結構魅力的な内容で、ワクワクするものも少なくない。予算も上振れや東京での知名度の低さ、内容の浸透がされていない点も徐々に解消されていくと思う。キャラクターみゃくみゃくの人気も関西では現在でもなかなか。伊丹空港の記念ショップでは修学旅行生やビジネスマンがお土産に列をなす。それを見ている限り「万博が意外に近くなったら人気になる」という予感を感じる。ここも筆者の予言として覚えておいて欲しい。

エネルギー供給の安定と円安、これが実は2024年のキーワード。他の先輩記者や、実力派のジャーナリストのみなさんの中で恐縮なのだがテレビマンとしては、軽薄に2024年を予想したい。筆者の強い願望も含め明るい年にしたいものだ。

トップ写真:自民党派閥による政治資金規正法違反事件を受けた閣僚交代について記者会見で説明する岸田首相(2023年12月13日 首相官邸)出典:Photo by Franck Robichon – Pool/Getty Images




この記事を書いた人
結城豊弘合同会社ANOSA CEO/テレビプロデューサー

1962年鳥取県境港市生まれ。駒澤大学法学部卒業。元読売テレビ報道局兼制作局チーフプロデューサー。「そこまで言って委員会NP」「ウェークアップ!ぷらす」「情報ライブミヤネ屋」の取材・番組制作を担当した。現在はBSテレビ東京「石川和男の危機のカナリア」(毎週土曜日朝7時〜)の総合演出や、プロデューサーとして各局の番組制作を続ける。鳥取大学医学部付属病院特別顧問や境港観光協会会長などを務めるほか、企業のブランディングコンサルタント、コメンテーター、講演、イベントプロデュースなどフィールドを広げ活動中。合同会社ANOSA CEO 。著書に『オオサカ、大逆転!』(ビジネス社)、『吉村洋文の言葉101』(ワニブックス)、共著に『“安倍後"を襲う日本という病』(ビジネス社)がある。

結城豊弘

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