[Japan In-depth編集部]【世界を席巻する日本のロリータファッション】~旺盛な海外需要を掴むための戦略構築が鍵~
Japan In-depth 編集部(Ayaka)
「消費税増税の影響?それは全然ないわね。」と一人気を吐くのは、ロリータブランドの雄、Angelic Prettyを販売する株式会社ブティックa アトリエプリティの本多洋子社長だ。この7月、フランスで開催された世界最大規模の祭典Japan Expoの時は、欧州中から集まったロリータファンの集いを取材し、そのすそ野の広がりに改めて驚いたが、今回もさすが本家日本でのイベントだけあって圧巻、の一言であった。
12月15日の夕方、都内でも有数のホテルの会場で開かれた、「星降る夜のPrincess Dreamy Carnival ~夢見るプリンセスたちの星夜会~」と題されたイベント。集まったのは、同ブランドに代表される、“甘ロリ”(ピンクや赤、空色など優しい色を主体とした甘い雰囲気のロリータファッション)ファンの女子や、外国人留学生、さらにはロリータ大好きなカワイイ系男子も参戦、過去最大規模の総勢180人が一堂に会した。
来年春の新作コレクションのファッションショーには、神田沙也加さんなどの人気モデルら18名が登場、会場は一気に熱気に包まれた。「やるからにはとことんやらないと。来年は15周年でもあり、200人規模にしたい。」と本多社長は意欲を語る。
今回最年少の参加とおぼしき、小学六年生のかやさん(仮名)はお母さんとの参加。小学生なのにもかかわらず「白ロリ」(注・白色を基調としたロリータファッション)を上品に着こなし、ファッションのポイントを尋ねたら「今回、(少し大人になって)憧れの姫袖(腕周りの裾が広がっている型)を着れてうれしい。」とはにかんだ。
そして女性に負けないぐらいにかわいく着こなす男性のたけるんさん(仮称)は、「カワイイ動物のお人形は可愛さをより引き立たたせるものなので、多くの方が動物をあしらったものや小物をワンポイントにしている。」と、手持ちのテディベアを抱きながら教えてくれた。
(写真左から:かやさん、たけるんさん、中国からの留学生)
さらに、“甘ロリ”で決めている参加者が大半を占める中、ある中国人留学生は、敢えてゴシック風の衣装で登場。「みんなと違うテイストにしたかった。」と高レベルの着こなしを披露した。
最後に海外展開について本多社長は「パリにはリアル店舗を持ちたい。又、アメリカニューヨークや、中国でもビジネスを拡大したい。」と語り、旺盛な海外の需要に応えるため、海外戦略を強化する考えを明らかにした。
ロリータファッションのみならず、日本のファッションは今海外から熱い視線を浴びている。しかし、ビジネスの規模としてはハイ・ブランドを既に確立しているフランスやイタリアのそれと比べ、後塵を拝している。日本のファッション産業が世界で大きく羽ばたくためには、様々な個性的なファッションブランドを担う小規模事業者が海外進出しやすくするための環境整備など、官民一体となった取組みが必要だろう。
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