<第15回 Japan Expo2014>欧州最大の日本文化の祭典は過去最高25万人以上を動員
Japan In-Depth編集長
安倍宏行(ジャーナリスト)
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◆Japan EXPO2014・フォトレポート[2014.7.2〜6]◆
7月2日に幕を切って落とされた、欧州最大規模の日本文化・エンタテインメントの祭典、Japan Expo(以下、ジャパンエキスポ)は6日終了した。過去最高の推定25万人以上が来場した模様だ。
テーマは大きく分けて4つ。マンガカルチャー、ポップカルチャー、現代文化、伝統文化だ。日仏関係の強化・日本文化の普及という大目標はもちろんだが、出展社にとっては、新商品の発表、新規顧客の開拓、リピーターの獲得、販売、ブランディング、ライセンスプロモーション、欧州市場への進出などのメリットが期待できる。
ジャパンエキスポのオフィシャルパートナーで、日本企業エリアの企画、輸送、販売所などの窓口となった株式会社トーハンの海外事業部マネジャー外川明宏氏(写真右)に話を聞いた。
「当社が関わるようになり7年目で今回は過去最大級。かつてはフランス目線だったが、一昨年きゃりーぱみゅぱみゅやももクロを呼ぶなど、日本から仕掛けることで効果が出てきました。」(外川氏)
年々ジャンルが増えており、今年はポップアート界から人気イラストレーターの中村祐介氏らが参加、サイン会に長蛇の列が出来るなど、欧州における日本アートへの造詣の広がりに驚いた。 又、年々来場者が増えていることについて外川氏は、SNSの影響が大きいと指摘する。
「1日目来た人がSNSで拡散すると、2日目は倍になります。2乗、3乗で増えています。」(外川氏)
伝統文化のジャンルでは、株式会社美研インターナショナルが窓口となり、210の出展社を引連れパリ入りした。
出展社の関係者200名、芸能の出演者150名、総勢350名に上る。経営企画室長生島儀尊氏(写真左)は年々手ごたえを感じていると話す。
「本物を求められている、と感じます。売上が変わってきており、4年前は何にもなかったのですが、2年前は4日間で100万円、今では1日で100万円です。」(生島氏)
アソビシステム株式会社は、「もしもしにっぽん」という日本のPOPカルチャーを世界へ発信するプロジェクトの一環で「KAWAii!! AREA」を企画。ゴスロリ・ファッションをまとった観客らがライブやファッション・ショーを満喫し、原宿カワイイ・モデルがステージに現れるたびに大歓声が。
「初めての試みでしたが、とても反応が良くて大盛況でした。カワイイ文化・日本のPOPカルチャーがフランスにも浸透しているんだなと感じました。」(アソビシステム 畔柳涼吏氏)
筆者が2年前取材した時と比べ確かに規模も出展社も大幅に増え、本物のメイド・イン・ジャパンに対する需要の強さが実感できた。一方で、ヨーロッパ市場への進出がまだまだの分野も多い。この点について各社の担当者に聞いてみた。
◆Japan EXPO2014・フォトレポート[2014.7.2〜6]◆
トーハンの外川氏は、今後ヨーロッパで稼ぐ仕組みを作るために必要なこととして:
- 大きな箱ではなく、道の駅のようなアンテナ・ショップを各都市に作り、ポップカルチャーなどの発信をしていくこと。
- 日本でやっているグッズ販売のようなビジネスを展開すること。
- 日本側が本気になり、自主的に仕掛けること。そのために(業界毎に)一つにまとまることが望ましい。 などを上げた。
又、美研インターナショナルの生島氏も伝統文化を守るためには、「ミニ・パビリオンみたいなものを展開したい。(現地の人に)体験させ、モノ作りしてもらう。」ことが重要と強調した。
アソビシステム株式会社の畔柳氏も、今後のビジネス展開として、イベント・コンテンツ・メディア・ショップをうまく絡めた仕掛けを作っていく、と語る。
一方で、実際の物販やライセンスのプロモーションはまだまだこれからの状況だ。日本政府はクールジャパン機構を作り、販売プラットフォーム(拠点)や流通網の整備を目指しているが、ただ大規模な箱モノを用意すれば事足りるわけではない。業界により異なるニーズをしっかり把握することが必要だろう。
◆Japan EXPO2014・フォトレポート[2014.7.2〜6]◆
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