[水野ゆうき]批判を恐れない覚悟がなければ政治家になることは勧められない~武雄市の視察でさえSNSは炎上する~
水野友貴(千葉県我孫子市議会議員 )
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先般九州に視察に行ってきた。これまで全国様々な自治体を視察し、良い取り組みや我孫子市に導入できそうな政策を議会で提案するには現場に足を運ぶことが重要である。これは私が報道局時代に培ったものであり、自分の目で取材した内容に勝るものはないということを知っているからだ。『踊る大捜査線』で有名なあの名台詞はまさにその通り。ネットや資料だけでの知識を議会で討論しても上滑りするだけだ。もちろん実際にその自治体を視察すると我孫子市の方が進んでいる場合もある。
今回は福岡と佐賀県武雄市を視察した。武雄市の取り組みは今や全国的に注目を浴びている。私が訪れた日は『反転授業』の報道日で、ざっと150~200人の報道陣で埋め尽くされていた。その内容をSNSで情報発信すると、瞬く間に私のツイッターに批判が続出した。佐賀県武雄市とは縁もゆかりもない千葉県の地方議員が「武雄市の取り組みを視察」というだけでここまで影響力を及ぼす樋渡啓祐市長。大胆な政策や革新的なことをすると必ず反対は出るし、批判を恐れていては首長は務まらない。
我孫子市で何かヒントになる政策はないかと自費で現場視察をしている議員に対し、匿名で誹謗する一方で、実名で安全性が高いツールFacebookにこの武雄市の取り組みを掲載すると、我孫子市民から「我孫子市も早くFacebookを導入してください」「我孫子市は情報発信が遅れている」「悪口に負けず頑張ってください」などと応援に近いメッセージが多数届いた。
私はこれまで記事に書いてきた通り、駅頭等で危険な思いをしている。政治家というのは選択と判断の連続であり、どちらかを選択すれば必ず反対者がおり、それを恐れていては何もできない。つまり、賛否両論の世界でいかに市民生活のサービスを向上させることができるか、ということに尽きる。
批判も支援も来ない政治家は何もしていないのと同じ。人前での演説や批判を苦にして辞める政治家もいる。そういう人は辞めた方が幸せだろう。政治を志したいという若者が私を訪ねてくることもあるが、確固たる強い信念と情熱、そして何よりも批判を恐れない覚悟がなければ政治家になることは勧められない。
しかも世の中の価値観は多様化している。ネットが普及し、誰もが言いたいことを容易に言えるようになった。情報社会にまみれた中でメディアリテラシーを養うことが求められる。そんな時代だからこそ、代表者である政治家は判断をする為に実際に本人に会い、現場に行くことが重要なのだ。私は市民の為に働くことを決意している。ネットと現場の特性を活用し、覚悟を持って自分の考えを全うするだけだ。
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