[山田厚俊]【民主党は人身刷新せよ】~党解体の覚悟も~
山田厚俊(ジャーナリスト)
「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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「安倍(晋三)首相でさえ、1回目は政権が回せなくてごちゃごちゃだったのが、さすがに2度目はうまいよね。政権運営については。やっている中身は問題だと思いますが。」
民主党定期党大会を翌日に控えた2月28日、枝野幸男幹事長は千葉市内の講演でこう語り、自説をこう展開させた。
「我々も3年3カ月の政権の経験を積ませて頂いたなかで、経験ノウハウは十分得させて頂いた。」
要は、政権復帰に向け、全力を傾けていくというのだ。翌日の党大会でも勢いは止まらない。
「政権を担う政党の一翼を占めるため、打って出る一年となる。」
確かに、1強多弱の現状を打破しないことには、何も変わらない。その姿勢は必要だし、本当に変わった姿を示してこそ、“次の一歩”がようやく始まるのだろう。
しかし、右から左がごちゃ混ぜの政党という指摘を受けながら、未だその状態は変えられていない。今回の党大会の活動方針では「多様な価値観を互いに尊重する『共生社会』」をめざす「中道路線」を明確にしたものの、いざとなった場合、また意見がまとまらないのではないかという不安が残る。
さらに、一般有権者からは、“禊が済んでいない”という指摘が未だにある。これまで民主党を支えてきた小沢一郎元代表(現・生活の党と山本太郎となかまたち代表)と鳩山由紀夫元首相(現・東アジア共同体研究所理事長)は党を去ったが、トロイカ体制の一翼を担っていた菅直人元首相は未だ残り、2004年に代表を経験し、民主党政権では外務大臣や副総理、内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)などを歴任した岡田氏が再び代表の座に就いた。現執行部を見回してみても、枝野氏をはじめ、旧体制のままで「反省がない」との声が強い。
本当に政権を獲る政党に生まれ変わるというのなら、人心刷新を図り、ブレない活動方針を貫けるよう、党解体も覚悟した上での野党再編に向かうことが求められているのではないだろうか。