.社会 投稿日:2014/4/10
[為末大]<人生が重い人にとって人生は試験>「成功したい」と「成功しなければならない」は違う
為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)
人生が重い人がいる。
自分の人生は唯一無二のもので、決して次のチャンスは無く、そして、できうる限りよいものにしなければならないという「力み」を抱えて生きている。計画通り人生を進める事が大切で、失敗してしまうと計画が狂うという恐れを抱いている。
人生が重い人にとって、人生は試験。
ちゃんと最後まで合格できるかどうか。途中で予想外のことが起きたり失敗してしまえば、取り返しがつかない。人生は自分がこのレベルかなと定めた集団についていけるかどうかが大事で、少しでも集団から遅れたらおしまいだと思っている。
「成功したい」と「成功しなければならない」は実は結構違う。
人生が重い人は、自分が決めた、いやおそらく幼少期に刷り込まれた成功の基準を達成できなければ人生自体に意味が無いと信じている。青年期はそれが野心として現れ、ある年齢からは自責感として現れる。
何度か浮き沈みをして、「ああ、全部舞台の上の出来事なんだ」と思ってから急に自分の力が出せるようになった。
失敗も成功も途中の形。人生は死に集約される。過程の事を人生と呼んでいる。
全部幻なんだから、見たい夢を見た方が面白い。
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