世界で3番目に英語人口の多いフィリピンに「子どもに英語を学ばせたい」という家族の移住が急増中[フィリピン・セブ島で活躍する日本人]
佐藤ひろこ(セブ島在住10年・起業8年目)
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親の思い。自分の子どもには「苦労なく英語を話せるようになる環境」を与えてあげたい!
フィリピンが世界で3番目に英語を話す人口の多い国であることや、非ネイティブスピーカーのビジネス英語力を計る「ビジネス英語指数」(BEI-Business English Index)でも、アメリカやイギリスなども含む、世界78カ国中、3年連続世界第一位になるなど、フィリピンの英語力の高さは、日本人にも知られ始めている。このため、今、フィリピン・セブでも英語留学やオンライン英会話、コールセンターなど英語関連のビジネスが非常に盛んだ。
これらを背景に、自分自身はもとより、「子どもに英語を学ばせたい!」という家族の親子移住が増えている。ちょうど私の年代、30代から40代半ばは、学生時代に海外志向が強かった世代だ。海外に憧れがありつつも、未だに英語が話せず、「自分の子どもには、苦労せず英語を話す環境を与えてあげたい!」と考える人が多い。
元々の海外志向にプラスして、3.11以降特に、日本に住み続けることへの不安感も手伝い、思い切って親子で英語圏に移住するケースが増えてきている。夫も仕事を辞めて一家で移住する思い切ったケースも稀にあるが、多くは、ITなど場所を選ばずに仕事ができる人や、父親は日本で働いたまま母子だけ移住するケースだ。
生活費をできるだけ抑えて子供が英語を学べる現実的な地域となると、アジアになる。中でも人気は、マレーシアのジョホールバルとフィリピンのセブだ。ジョホールバルには世界的に有名な学校の系列校などがいくつもあるのが魅力だが、有名インターナショナルスクールに通わせる費用は高い。一人当たり年間授業料で200万円は見ておく必要があるだろう。
それと比べると、フィリピンは、基本的には、公立学校でも全て英語授業。「とにかく、まずは英語を話せるように」という目的ならば、フィリピンの場合は、わざわざインターナショナルスクールに行かせなくても、有名私立で十分だ。セブのインターだと高いところで年間約100万円だが、私立なら20万円もあれば十分の安さだ。
フィリピンの中でも、治安の良さ、生活費の安さ、リゾート地であることなどから、セブは現実的に可能な親子移住先として最適な場所になっている。
また、セブでは、ヘルパーさんやベビーシッターさんを雇うのが一般的。日本で24時間子育てに追われ、自分の時間を持てなかったお母さんが、ゆっくりお友達とカフェにいったり、ジムに通ったりと、自分の為の時間を持てるようになり、心のゆとりを持って子育てできるという、日本では得られない利点もある。
セブの一般的な新学期の開始は6月から。私のところにも、親子で移住して、子どもを地元の学校に通わせ英語を勉強させたいという問い合わせや、入学サポートの依頼の件数は年々増えている。思ったよりアジアの生活は日本のすぐ側にある。「私には無理」とあきらめてしまわずに、子どもの将来への選択肢の一つとして、一度、自分の目で確かめてはいかがだろうか?
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【今回の執筆者紹介・佐藤ひろこ】
1978年、堺市生まれ。 2004年、セブ島日系リゾートでスパマネージャーとして働く。 2007年、ウェブとマガジンを使った、セブ島唯一の総合情報媒体「セブポット」Pinaka Pot Distribution Inc.を創業。 2014年、セブポットを運営するメディア事業「Infopot.Inc」、ビジネスコンサル、会社設立、賃貸・管理不動産、ビザサポートなどの直接サービスを行う「The Hatena Solutions Inc.」、インベストメント・ホールディング会社「Cou.A Investment Holding Inc.」の三社に分社化。情報業で培った人脈と最新の情報をもって、多くの日本人の起業進出をサポート。起業家としてだけではなく、2児の母親として、海外移住・親子移住などの相談サポートも行っている。日本でも定期的にセミナーなども開催。