.社会  投稿日:2014/6/5

[安倍宏行]<滝川クリステルが提言 環境省も前進>年間16万頭の動物が殺される日本で動物殺処分ゼロへの動き

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Japan In-Depth編集長

安倍宏行(ジャーナリスト)

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年間16万頭の動物が殺される国、日本。動物たちの声なき声に、ようやく政府が動いた。

環境省は、3日、動物の殺処分ゼロを掲げ、飼い主が安易に犬や猫を購入しないようペットショップに購入前の説明を徹底させたり、迷子になっても飼い主が分かるようマイクロチップの装着を義務化させるなどとした、アクションプランを発表した。又、殺処分を減らした自治体の例を集めたガイドラインを策定する予定だという。

こうした政治の動きは、2020年の東京オリンピック開催と無関係ではあるまい。今年に入ってからも前年を上回る伸び率で増え続けている海外からの旅行客。おもてなしの精神を前面に出している国が、多数の動物の命を奪っていると知ったら、彼らは何というだろう。

動物愛護の活動を長年続けている滝川クリステルさんは、この春、環境省に2020年までに動物殺処分ゼロの実現について陳情に行き、6月1日には、動物との共存の実現のために、一般財団法人 クリステル・ヴィ・アンサンブルを立ち上げた。

滝川氏は、環境省のアクションプランに対し、「いつか殺処分0が当たり前になるためには、大きな一歩だと思います。そして、皆さんでこのニュースを共有することも大きな前進だと思いますので、是非広めてください。」とブログでコメントした。

又、藤野真紀子元衆議院議員が代表理事を務める“TOKYO ZEROキャンペーン”という特定非営利活動法人(申請準備中)も設立された。女優の浅田美代子さんら著名人が多数応援団に入っている。

提言は、①ペット産業適正化のために「8週齢規制」(注1)を早期実施。 ②捨てられた犬や猫の福祉向上のための「ティアハイム」(注2)の設立 ③「保護犬」「保護猫」との出会いを広める、となっている。

各自治体レベルでも殺処分を減らそうとの動きが活発化してきたことは望ましい。しかし、ペットショップで手軽に動物を買い、飼い主の身勝手で棄てられ、殺されるペットが後を絶たないということは、私達が、人間のパートナーであるペットの命をモノのように粗末に扱う社会を肯定していることに他ならない。

果たしてそんな社会が、高齢者や弱者に対してやさしい社会と言えるだろうか。ペットを飼っている人も、飼っていない人も、この問題について自分事として考えてみるべきだろう。殺処分ゼロが達成できるかどうか、今、日本人が試されている。
注1) 8週齢規制

  • 8週齢まで子犬を生まれた環境から引き離すことを禁じる規制。生後56日(8週齢)に満たない子犬を生まれた環境から引き離すと、精神的外傷を負う可能性が高く、無駄ぼえや無駄がみなどの問題行動を起こしやすくなり、飼い主による飼育放棄の可能性を高める。欧米先進国では、8週齢規制を早期に実施することで、ペット産業の適正化を促し、動物福祉の向上につなげている。

注2)ティア・ハイム

  • 動物福祉先進国・ドイツにある、捨てられた犬や猫たちを保護し、そこで新たな飼い主を待つための動物保護施設。シェルターともいう。

 

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