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.社会  投稿日:2014/6/20

[為末大]<夢の成功率1%>小学校の卒業文集でみんなが書いた夢が現在どのくらい成功しているかを調べればいい


為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)

執筆記事プロフィールWebsite

 

夢の成功率を知りたければ、小学校の卒業文集でみんなが書いた夢が大人になった時どのくらい成功しているかを調べればいい。僕の小学校の場合は1%ぐらいだった。たぶん中学校の夢だったとしても数%だろう。大学生の夢はなんだろうか?

最初の夢を変更した平均の時期はいつだろうか。

なんとなく12〜15という感じがするけれど、もっと早い人もいるだろう。変更しなかったような本田さんやイチローさんのような人もいるけれどおそらく稀だと思う。多くの場合、3、4回程度変更すると思う。

初恋の人と結婚する確率はどの程度だろうか。

小学校の頃は情報が少ない。夢に参加している人数も知らないし、そもそも他に夢がある事も知らない。極端に情報が少ない状態で決定した目標はその後新しい情報が出てきた段階で変更される可能性が高い。

例えばサッカー選手になりたい男の子がいる。何故なりたいかと聞くと、ヒーローになりたいからと言う。なぜヒーローになりたいかと言うと、かっこいいからという。時代と場所が違えば野球だった。大人になったら起業家でもいいかもしれない。種は同じでも違う時代場所条件なら違う花がさく。

夢は手段に過ぎない。夢の奥にある実現したいものは何か。価値観は何か。どう生きていきたいのか。職業も、夢も、人生も全部手段。奥にあるものが見えない人は手段が目的に見える。もしくは奥に何も無いから手段にしがみつく。

執着と頭で作った物語を夢と呼んでいる人とは、たぶん夢の話ができない。他人の夢と自分の夢の区別を付ける事がまずは始まりだと思う。

 

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