[水野ゆうき]「今日はパンツスーツだけど生理なの?」と平気で言える議員たち〜永田町だけではない政治家のモラルハザード
水野友貴(千葉県我孫子市議会議員 )
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永田町の常識は世間の非常識と言われることがあるが、永田町に限ったことではない。もちろん地方議会でも信じられない議員の言動に耳を疑いたくことが多々ある。
私は大学卒業後に民間企業で役員秘書という職種に就いたことから、言葉遣いや礼儀に関しては人一倍気を遣う。社会的常識や倫理観をいわゆる「普通」の感覚で養う必要性から両親からまず3年は、と日系企業の就職を勧められた。この民間企業での社会人経験によって社会で生きていく上での当然のモラルを自分の中のスタンダードとして確立していった。
その後、私は政治家となるわけだが、有権者から選ばれた議員であるからこそ社会的倫理観や道義心を求められ、既に議員になった時点でこれらを持ち併せていなければならないと考える。しかし残念ながら、報道される政治ネタは政治家のカネや不貞、法律違反が目立っている。
議会に入ってまず驚いたことは、議員が議員に平気で相手を傷つけるようなことを真顔で言ってくることや議会でくだらない嫌がらせをすることであった。例えば、大きな声で「今日はパンツスーツだけど生理なの?」と8割以上が男性である議場で言われたこともある。一般企業で社員同士が普通の会話で小中学生並みの悪口を言うことはまず有り得ない。これが社会人の常識であろう。
地方議会というのは以前も記事に書いたように全員が選挙で敵となる。この仕組みが普通の感覚や常識を逸脱させてしまう要因に思える。更に国会議員や首長の場合、権力を履き違え、税金をまるで自分の金と錯覚しているように感じることがある。また、一度この職種に就くと止められなくなってしまい、どんな手を使ってでも地位を堅持したいと思ってしまうのかもしれない。一方で愚直に真面目に働き、自分の報酬を持ち出しで議会報告を作成し、家族を養い、乏しい資金で選挙に臨む政治家もいる。
この政治という仕事は特に自分を律することが求められる職業である。私は一議員として、何よりも重んじているのがこの社会的倫理観や常識である。現職政治家、これから政治家を志望する人も、自分が何故、政治家になったのか、なりたいのか、という原点に立ち戻り、国民・県民・市民の立場に立ち、思いを馳せられる人間であるかを今一度問いかけてほしい。私は常に自分に問いかけていたい。
利己的な欲求に負けた時点で、もはやその政治家は政治家ではないのだ。
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