ゴーンと司法
.JID  投稿日:2014/12/8

[Japan In-depthチャンネル ニコ生公式放送リポート]【家庭崩壊、ギャンブル依存症の恐怖】~カジノ導入前に対策を~


2014年11月5日放送

Japan In-depth 編集部

 

カジノ法案の今国会での成立はなくなり、先送りとなったが、あまり遠くない未来、日本にカジノがやってくる可能性は大いにある。そんな中、日本で大きな問題になっているのはギャンブル依存症の問題だ。日本では、潜在的ギャンブル依存症罹患者は500万人以上にのぼると言われている。あまり知られていないが、実は身近な病気「ギャンブル依存症」について、ギャンブル依存症問題を考える会理事の田中紀子氏に話を聞いた。

WHOからも疾病として認められているというギャンブル依存症。一体どこからがギャンブル依存症と言えるのだろうか。田中氏曰く「生活が脅かされているのに止められないという状態」が依存症だという。たとえば、借金をしてまでギャンブルを続けてしまう人だ。

田中氏は、夫、父、祖父がギャンブル依存症に罹っていたという。また自らもギャンブル依存症を経験している。幼いころから父に連れられてパチンコに行くような、ギャンブルが身近にある家庭に育った田中氏。父親がギャンブルで借金を作って会社の金を横領し、クビになって母親と離婚したという衝撃の過去を告白した。

何故そんな風になるまでギャンブルを続けてしまうのか。それには脳に原因があると田中氏は説明する。ギャンブル依存症になりやすい体質の人は、ドーパミンが出やすく、ビギナーズラックの際に普通の人よりも大きな衝撃を受け、それが快感となり、ギャンブルという行為が止められなくなってしまうそうだ。

さらには、ギャンブルで当たると想像しただけでドーパミンが出るようになり、そうでない状態を不快に感じるようになってしまう病だという。

では、どのような人がギャンブル依存症になりやすいのか。田中氏は「誰がなるかわからない」ものだと述べ、その危険性を強調した。一方で、環境的な要因もある。依存症になりやすい体質を持っていても、周りの人がギャンブルをしなかったり、ギャンブルに抵抗感を持っている場合は発症せずに終わるケースが多いという。

ギャンブル依存症患者は、家族に対しても嘘をつくようになり、家庭内を破壊していく。「ギャンブラーのよくつく嘘」として、田中氏は下記三種類を挙げた。

 

1. 財布を落とした

2. 忙しくて経費の精算ができなかった

3. 給与明細の偽造(別の口座を隠し持つ)

 

これらの嘘は全てお金がないことの理由をギャンブル以外のものになすりつけて誤魔化そうとするものだ。家族は嘘を見破るようになり、対策を立てるが、それが無意味であることが多いという。田中氏の言う「家族がたてる意味のない対策」は下記の通りだ。

 

1. お小遣いを一日1,000円ずつにする

2. 念書を書かせる

3. 財布や鞄の中をチェックする

 

こういった対策をとっても、依存症患者は消費者金融に手を出すなどして、ギャンブルを続けようとする。夫の嘘がエスカレートしていき、何を信じていいのかわからなくなった時、田中氏も一番辛かったという。中には子供のお年玉を使い込む依存症患者もいて、毎年田中氏の元に家族から相談があるという。哀しい現実だ。

田中氏の団体では、ギャンブルを継続的に止められるように、一日一日を仲間で協力し合って支え合う活動を行っている。短期間やめることは意外にできるが、「止め続ける」ことが難しいのだそうだ。

田中氏は決してカジノ法案反対派ではない。むしろ、この法案が出てきたことにより、初めてギャンブル依存症が注目され、対策を考える良いきっかけになっていると話す。

カジノを導入すること自体は悪ではないが、ギャンブル依存症への対策が全くない状態での導入は問題である。田中氏は、対策としてギャンブル依存症に関する法整備や法改正、相談窓口がより知識をつけるシステムの構築、マスコミによる認知度アップなどが必要だとし、関係各所への働きかけを行っているという。田中氏は今後の活動として、一番に「家族がギャンブル依存症で困っている目の前の一人一人を助けていきたい」と話した。もしも身近に、ギャンブル依存症患者がいたり、家族に依存症患者がいて困っている人がいれば、是非「ギャンブル依存症問題を考える会」に連絡してみてほしい。ギャンブル依存症は病気だ、というその認識が社会を変える一歩になる。

 

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