[山田厚俊]【野党ダメダメ、その訳とは?】~地元組織固める努力すらしていなかった~
山田厚俊(ジャーナリスト) 「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」
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まるで年末の総選挙がウソのような静けさだ。もちろん、至る場所で街宣車で候補者の名前は連呼されるし、駅前では朝夕に候補者がマイクを握り有権者と握手する姿は見られる。しかし、その熱気というものが一切伝わってこない。 というのも、各メディアが「自民300議席超え」「自民320議席届く勢い」などと、自民圧勝を伝えているからである。
さまざまな世論調査で、その内容には信ぴょう性が高い。だから、自民、公明の与党側は余裕に溢れ、野党側にはコールド負けのような絶望感が漂っている。なので、総じて熱気は感じられないのだ。 では、野党惨敗の敗因は何か。まだ投票日を迎えていないが、現時点で“野党ダメダメポイント”を見てみよう。
一般的に指摘されているのは、準備不足。“常在戦場”は自民党が言い続けてきたことだが、本来、野党が持っておく矜持だ。それが、「来夏に解散だと思い込んでいた」(野党幹部)などと口にするのは、戦わずして負けを認めるようなものだった。
次に、落選議員の多くは、この2年間で何もやっていないことが露呈した。地元回りを怠っていたとは言わない。日々、研鑚を積んできたのは理解するが、地元組織を固める努力が抜け落ちていた。これは、未だに“風頼み選挙”しか経験していないことの弱さだといえる。
ある選挙区で公示前、野党候補者に問い質した。「野党一本化し、今回は自民党候補者に勝つチャンスがあるが、どういう戦略を立てていますか?」。答えは、「私の考えをコンパクトに分かりやすく訴えていきます」と、堂々と答えた。地盤作りを何一つしていない彼は、駅前でひたすら訴えることで当選すると思っていたらしい。あまりに無謀で呆れた。
たとえば、民主党公認で野党一本化したなら、選挙区調整に協力してくれた維新の党の地方議員に挨拶し、土下座してでも支援者を紹介してもらい、ミニ集会をすべきところ。しかし、プライドが邪魔するのか、その気配はなかった。結果、中間の世論調査では自民党候補者に20ポイント近く引き離されていた。
選挙とはかくも残酷なものだ。日々の努力もさることながら、やるべきセオリーを順序立ててやらないと、決して実を結ばない。今度の衆院選で野党候補の皆さんは、身に沁みて分かったのではないか。
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