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.政治  投稿日:2015/1/14

[山田厚俊]【既得権組が中央に牙を剥いた!】~保守分裂の佐賀県知事選で見えたもの~


山田厚俊(ジャーナリスト)「山田厚俊の永田町ミザルイワザルキカザル」

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「日本って、つくづく規制緩和が出来ない国なんだって感じた。結局、本当に地獄を見ないと変えようとは思わないんだね」
知り合いの地方議員は、電話の向こうでこう嘆いた。1月11日、保守分裂選挙となり注目を集めた佐賀県知事選の結果を知って語った一言だ。

元総務省官僚の山口祥義氏が、前佐賀県武雄市長の樋渡啓祐氏ら3氏を破って初当選を果たした。保守分裂選挙となった知事選は、自公が樋渡氏を推薦。しかし、樋渡氏の政治手法に反発する県農政協議会や佐賀市長ら首長らが山口氏を推し、12年ぶりの分裂選挙となった。

自民党本部にしてみれば、連日、菅義偉官房長官、谷垣禎一幹事長、稲田朋美政調会長など党本部から大物議員が送り込み、必勝態勢を築いてきたのが、大きく崩れた格好だ。昨年の滋賀県知事選、沖縄県知事選に続く三連敗。春の統一地方選も含め、安倍晋三政権に黄信号が灯ったと報じるメディアも少なくない。

樋渡氏は武雄市長時代、『図書館・歴史資料館の管理者にTSUTAYA・Tポイントカードを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブを指定、また市民病院の民営化にも積極的に動き、地方の改革派の旗手として注目を集めた。しかし、その一方で「twitter」「Facebook」などで自身を批判するユーザーに対し、攻撃的な投稿をして行政長としての資質を疑われてもいた。

民意で決めたことに異を唱えることはない。しかし、投票率は54.61%と、過去最低を更新したことも踏まえれば、医療や農協などの“既得権益組”が中央に牙を剥き、必死で自分たちの牙城を守った結果との見方も出来る。

単純に安倍政権反対、自民党反対ではない、複雑な地方の事情と、今後打ち破らなければいけない壁の高さを実感せざるを得ない首長選の結果だった。なにしろ、冒頭の地方議員は昨年11月までみんなの党所属の地方議員。決して、自民党所属の議員の弁ではないことが、問題の深さを表している。

 

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