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.政治  投稿日:2014/2/6

[水野ゆうき]スウェーデンの国家予算に匹敵する13兆3千億円の予算を持つ東京都の首長選びはもっとシビアに!〜「新しい風」は一定の経験や勉強を重ねた上でしか吹かせられない。


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水野友貴(千葉県我孫子市議会議員 )

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2月9日の投開票まであと3日となった東京都知事選。今回は16人が都知事を目指し立候補している。一政治家として、今回の選挙に関して思うことがある。市長選、知事選といった首長選挙は議員選びよりもシビアに見てもらいたい。

首長選挙は自分が日夜稼いだお金を納税し、その税金の「執行権」を持つ「リーダー」を選ぶ重要な選挙であるからだ。特に東京都の予算はスウェーデンに匹敵する13兆3千億円(特別会計含む)。影響力やこの財政から見ても他の首長選挙とは一線を画す。しかも予算及び条例提出権を持つ知事の権限は議員とは全く別物である。自分の会社の社長や上司と重ねてみてもらいたい。

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私は市議選に出るにあたり、首長経験者、議員、専門家と幾度となくブレストを重ねた。民放テレビ局で働いていた時代は報道局経済部に在籍し、その後は政治経済番組を担当していたため、政治家やアナリストとの接点が非常に多く、日経平均が政治とも連動していることや、生の国政の動きも見てきた上に、多くの地方議員・首長経験者と話す機会もあった。市民の代表として一議員になるために、かなりの時間を費やしている。ましてや、首長ともなれば相当な勉強量と経験、生産的な人脈が必要なのは言うまでもない。

首長として賛否両論はあるにせよ、新しい動きで注目を浴びる千葉県千葉市の熊谷俊人市長、佐賀県武雄市の樋渡啓佑市長、過去には私の地元である福嶋浩彦元我孫子市長。実は彼らは議員経験者、もしくは官僚出身なのである。つまり、素人どころか、実際の問題点を既に肌で感じて課題点が見えている人材なのだ。そして大きな共通点と言えば、「批判に強い」

政治家というのは否応なく批判の的となる。議員でもかなりのものだ。首長ともなれば相当な覚悟と強い精神力が求められる。たとえば、自分の上司が勉強不足、経験不足、メンタルが弱かったら、あなたはそのリーダーの元で働きたいと思うだろうか? 会社であれば、自分がお金を稼ぐ場なので我慢できるかもしれない。しかし行政はわれわれの税金を使い、税金で暮らしているのだ。だからこそメディアの表面的報道や候補者の抽象的な発言に惑わされず、シビアに投票しなくてはならない。

具体的な課題や仕組み、チェック機関である議会の実情を理解していない候補者にあなたは投票しますか? 議会であれば、何十人も通るため素人議員が一人くらいいても良いかもしれない。しかし、首長は一人なのだ。そしてあらゆる権限を持つ。

これは実際に政治に身を置いている人間としての意見である。新しい風というのは一定の経験や勉強を重ねた上で吹かせることができる。私が投票権を持っていたら、この莫大な予算を執行し、東京都をリードする人間として、経験も知識もメンタル面も兼ね備え、そして有能なブレーンを抱える候補者に投票するだろう。

 

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