.政治  投稿日:2018/1/26

トランプ政権、とん挫はない 古森義久氏(上)

Pocket

「細川珠生のモーニングトーク」2017年12月30日放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(大川聖)

【まとめ】

・トランプ大統領の支持率は約40%、支持層は堅固。

・トランプ批判はリベラル系メディアが展開しており、日本の報道はそれを引用しているだけ。

・政権批判は不当との見方も出ており、トランプ政権のとん挫は当面ない。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記されていることがあります。その場合は、Japan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=38241でお読み下さい。】

 

日米関係について2017年の振り返りと2018年の展望を、政治ジャーナリストの細川珠生氏が産経新聞ワシントン駐在客員特派員古森義久氏に2週にわたり話をきいた。(下)に続く。

 

■ 米国内におけるトランプ氏の評価

細川氏は2017年を「北朝鮮の脅威に振り回された1年だった」と振り返った。その上で、北朝鮮問題は「アメリカとの関係なくしては語れない」とし、就任から1年経ったトランプ大統領のアメリカでの評価について質問した。古森氏は「日本でも伝えられているように、トランプ大統領の支持率は史上最低の37%。たしかに歴代の大統領より低いがそれでも約40%の人たちが支持している。トランプ氏を支持してきた人たちの支持率は下がっていない。」と答え、トランプ支持が堅固であるとの考えを示した。

JB18012501hosokawa01

▲図 トランプ大統領支持率の推移 (2017年12月23日時点、不支持58%、支持37.8%)出典:Real Clear Politics

一方で「トランプ氏を嫌う人たちの嫌う度合いは非常に激しい。」と指摘し、トランプ氏の過激な発言や表現、態度をみると「色々な欠点・欠陥がある。」と述べたが、「それを恐らく補って余りあるかもしれない一連の政治がある」との評価を示した。

古森氏は、トランプ大統領が進めている政治を「小さな政府、保守主義、規制緩和、外に対しては力を通じての平和。アメリカの軍事力を強くし、何よりもアメリカの利益を優先するイデオロギーである。」と説明した。

そして「それまでのアメリカは国際主義、グローバリズムの名のもとに余りにも他の国に利用されてきた。それをもとのバランスシートに戻そうとしている。オバマ大統領が8年間やったことのほぼ正反対のことをやろうとしている」と述べた。

古森氏は、「オバマ元大統領は、リベラリズム、大きな政府、まず弱者を優先して政府が国民の面倒を見ていくという考え方」で、トランプ氏の支持者層は「オバマ政権にあまり利益を受けなかった、むしろ無視されてきた人たちである」とし、より貧しく恵まれない弱者の救済に税金が使われ、自分たちの福祉に反映されていないと感じている中間層がトランプ氏の支持層であるとの考えを示した。

JB18012501hosokawa02

▲写真 トランプ米大統領 flicker:Gage Skidmore

細川氏が「トランプ支持者層の支持率は下がらないのか。」と聞くと、古森氏は「下がらない」と明言した。「色々な種類の世論調査があるが、(トランプ大統領)の約40%の支持者で、もう一度選挙を行ってもトランプに入れるという人が80%から90%いる」という。

古森氏は、トランプ支持者の支持が堅固であることを示す例として、トランプ大統領就任後、いくつか行われた連邦議会の特別選挙を挙げた。アラバマ州の選挙で共和党は初めて負けたが、それ以前の4回の選挙では全て共和党が勝った。古森氏は「民主党はトランプ大統領に対する住民投票、国民信任投票のつもりで全力投球で戦ったが全部負けた。」と述べ、依然として共和党に対する支持は固いとの見方を示した。

 

■ 日本におけるトランプ氏に対する評価

古森氏は、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、CBS、MBC、ABC、そしてCNNといった大手メディアが元来民主党びいきであると強調し、日本でアメリカの動向をみる場合に気を付けるべきだと指摘した。

古森氏は「トランプ大統領で評価できるのは、経済。株価が市場記録破り。そして失業率が20何年ぶりに一番低くなり、今、成長率も(よい)。しかし、このことは日本ではほとんど報じられない。」と述べ、「今の日本のアメリカ評、トランプ評というのはとにかくトランプ大統領の悪いところだけ見てネガティヴな像を描いているが、これはアメリカの大手メディアが必死になって描いているいわば非常にバイアスの強いリベラル傾斜のイメージである。ここのところをもう少し真ん中や保守系のメディアの情報もとらないとアメリカの状況を見間違える」と指摘した。

日本におけるトランプ大統領に対する評価の中で、史上最低の支持率だからもう辞めてしまうのではないか、民主党が仕掛けている部分も多いといわれているロシア疑惑や、閣僚の辞任等の問題で、弾劾されるのではないか、崩壊するのではないかといった見方がある。

これに対し古森氏は「実際に起きていない。日本の中で大手のメディアだけでなく、アメリカ通と呼ばれる人までがトランプ政権の終わりの始まりだというが、全然終わっていない。」と述べ、日本のメディアによる報道がトランプ政権の実情と食い違っていることに警鐘を鳴らした。

細川氏は「日本の報道も(アメリカと)似た部分がある。メディアは政権に対して厳しい見方をするのが正しいと思ってやっているところもあるのではないか」と指摘、より公平な報道がなされるべきとの考えを示した。

 

■ トランプ政権の見通し

トランプ政権にはロシア疑惑というのがある。昨年の大統領選期間中にトランプ陣営とロシア政府機関が共謀してアメリカ国民の票を不正に動かした結果、ヒラリー・クリントン氏が負けてドナルド・トランプが当選したという疑惑だ。

ロシア疑惑について古森氏は「トランプ政権を悩ます材料としてかなり続いていくと思うが(政権が)崩壊する、弾劾になるということはない。疑惑を裏付ける証拠というのは何もでてきないからだ。」と述べた。

起訴され司法取引に応じたフリン前大統領補佐官について古森氏は、「ロシア大使に会ったことを取り調べの時に言わず、後から言ったが、これは偽証罪だ」と述べ、ロシア大使に会ったこと自体も「違法ではない。」と強調した。

JB18012501hosokawa03

▲写真 マイケル・フリン前大統領補佐官 出典:Defense Intelligence Agency website

また「マナフォート元選挙対策本部長も起訴されているがこれも選挙とは関係のない。」とし、「これも多分に民主党が仕掛けているトランプおろしだという批判が強くなっている。ウォールストリートジャーナルがつい先日、モラー特別検察官のやり方は不当であるという社説を出したりしているのでかなり反撃もある。」と述べ、様々なトランプ政権批判がある一方で批判が不当であるとの主張もあり、「政権がとん挫してしまうという事態は今のところみえてきていない。」との考えを改めて示した。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2017年12月30日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ  http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ画像:©Japan In-depth編集部

Pocket

この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."