音楽×ボランティア RockCorpsで新たな発見を
佐々木瞳(フリーアナウンサー)
【まとめ】
・音楽の力を通じてボランティア参加を呼び掛ける社会貢献プロジェクト「RockCorps supported by JT 2018」が始まった。
・4月上旬、東京渋谷で花の苗植えやゴミ拾いなどのボランティア活動が行われた。
・「RockCorps supported by JT 2018」ボランティアは、“セレブレーション”が開催される9月1日(土)まで続く。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合は、Japan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=39470でお読みください。】
4月12日(木)、渋谷の街で花の苗植えやゴミ拾いなどのボランティア活動が行われていた。朝から始まったこのボランティア参加者20名は、性別、年齢、職種も様々だ。ただ、参加者たちにはある共通点がある。
その共通点とは、音楽の力を通じてボランティア参加を呼び掛ける社会貢献プロジェクト「RockCorps supported by JT 2018」の参加者であるということだ。
「RockCorps(ロックコープス)」は、音楽の力を使って“企業”と“地域社会”と“人々”を結びつけ、「楽しみながら、気軽に参加できる社会貢献の形」を提案している。人々のボランティア活動への参加を推進する新しい社会貢献のカタチとして、2005年にアメリカでスタートしたプロジェクトだ。
参加者たちは、4時間のボランティア活動を行うと、有名アーティストが出演する“セレブレーション(ライブイベント)”のチケットをもらうことができる。過去には、レディー・ガガ、リアーナ、マルーン5など世界的に人気のあるアーティストが出演してきた。
2014年に日本に初上陸し、東日本大震災の被災地支援ボランティア、地域清掃や草刈り・花植えなど一般ボランティアなど、東北・関東でボランティアを展開。これまでに4回連続で開催され、ボランティア参加者数は16,962人に上っている。日本でのセレブレーション出演アーティストも豪華で、これまでにコブクロや中島美嘉、ASIAN KUNG-FU GENERATION、miwaなどが出演している。
今年も日本での5年連続5回目の開催が決定し、この日は記者会見が渋谷MODIイベントスペースで行われた。
▲写真 公式アンバサダーに就任した高橋みなみさん ©佐々木瞳
記者会見では、3年連続公式アンバサダーに就任した高橋みなみさんが登場し、「2年間のボランティアの思い出が感慨深いです。2年前の最初のボランティアはどきどきでしたが、『どこからきたのですか』『参加何回目ですか』いう話をしたりして、4時間というプログラムの中で皆さんと距離を縮めることができたので、本当に楽しかったですね。何か同じことをするのって、こんなにも結束力を高めるのだなと思いました。ボランティアってハードルが高く見えがちですが、より多くの方々にそのちょっとしたハードルを超すためのきっかけになってほしいです。今年も RockCorpsを通じて、ボランティアの輪を広げていきたいと思います!」と意気込みを語った。
▲写真 4月12日渋谷で花の苗植えをする高橋みなみさんとボランティア達 ©佐々木瞳
私もRockCorpsには過去2回、2014年と2017年に参加したことがある。昨年は福島県相馬市の松川浦環境公園での草刈りのボランティアを行った。震災時に地震・津波で甚大な被害を受けた場所だったが、多くの支援により2012年7月にはリカバリーオープンした。この日は生い茂った雑草を引き抜いたり、鎌を使って刈ったりしたが、根を大分生やした雑草を処理するにはコツが必要で、地元の方にアドバイスをもらいながら行った。このように地元の人たちとの交流も1つの魅力かもしれない。
また、参加者たちは私のように東京から来た人もいれば、福島や山形からも参加した人もいた。ボランティアの最中は、参加したきっかけや過去の参加経験、普段されていることなど話しながら終始盛り上がった、あっという間の4時間だった。
▲写真 福島県相馬市松川浦環境公園での草刈りボランティア ©佐々木瞳
今年で5回目の開催ともなると、過去参加した方もいて、ボランティア会場やセレブレーション会場で久しぶりに顔を合わせる方々もいるという。
4月12日に記者会見と同時に行われた渋谷でのボランティア活動には、過去4年連続で参加し、今回で5回連続参加となる20名が集結した。その中には、福島県から新幹線で駆けつけた方もいて、須賀川市からきた女性は「5年連続1人で参加しています。志が同じ参加者の人たちと繋がれることが嬉しいです。」と話した。また、福島市の男性は「きっかけは音楽のライブでしたが、今はボランティアが目的。年に一度のお祭りという気分です。」と今年のRockCorps開催も楽しみにしていた様子が伺えた。
▲写真 渋谷のボランティア活動に参加した人たちと高橋みなみさん ©佐々木瞳
RockCorps co-founder(共同創設者)and CEO のスティーブン・グリーン氏は、「参加しているうちに、ボランティアの意識が変わっていくのではないかなと思います。1年目は外国からきた面白そうなものに参加しているっていう意識だったと思いますが、3、4年やっていくと『RockCorpsは自分たち(参加者たち)のもので、自分たちはRockCorpsの一部なのだ。他人事じゃなくて自分事にしていこう。』そうゆう意識の変化を感じますね。」と話した。
▲写真 ロックコープス共同創設者&CEO スティーブン・グリーン氏 ©佐々木瞳
今年は、より多くの方々に参加してもらえるよう、東日本大震災の被災地支援ボランティアの継続実施に加え、関東でのボランティアを増やし、合計38種類のボランティアが展開される。一般のボランティアでは、渋谷・新宿など街の清掃活動や農業体験を通して在日外国人との国際交流を図るボランティア活動、よりよいまちづくりのために千代田区・中央区のバリアフリーマップづくりなどもスタートする。
スティーブン・グリーン氏は、「自分たちが住んでいる地域にかかわっているということを感じてほしい。地元の人たちを助けたり、地域社会に貢献できたりする強さや能力があるということに気づき、それを発見してほしい。」と想いを話す。
「RockCorps supported by JT 2018」ボランティアは、“セレブレーション”が開催される9月1日(土)まで続く。出演アーティストには、すでにバッキンガム宮殿でロイヤルファミリーを虜にしたエレクトロポップの歌姫「ELLIE GOULDING」の主演が決定している。今後アーティストの発表も楽しみだ。
▲写真 ELLIE GOULDING Photo: Tore Sætre / Wikimedia
きっかけは、音楽ライブでもボランティアでも東北でも何でもいい。気軽に参加したその先に新たな発見が見えるかもしれない。
トップ画像:ロックコープスコンサートの様子 出典 株式会社サニーサイドアップ
あわせて読みたい
この記事を書いた人
佐々木瞳フリーアナウンサー
2010年~約4年間、ラジオ福島のアナウンサーとして、朝の情報番組や若者目線にたった中高生向けの番組のパーソナリティを担当。さらに震災報道にも力を入れる。独立後は、東京拠点に活動し、ニッポン放送や福島放送の番組を担当し、イベントMCも多数出演。その傍ら、現在も東北・福島の取材を続けている。