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.政治  投稿日:2018/10/8

「中小企業の所得を拡大」城内実衆議院議員


細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(大川聖)

【まとめ】

IT、水素発電を活用したイノベーション投資を推進することが大事。

・成長と分配の好循環を作るためにも賃金上昇が大事。

・中小企業に対し整備した税制を普及し、活用してもらうことが重要。

 安倍総理が自民党総裁選で3選目を果たし、最後の任期を迎えるが、憲法改正、日ロ関係、北朝鮮の拉致問題、全世代型の社会保障政策等、取り組むべき課題は山積みである。政治ジャーナリストの細川珠生氏が衆議院議員で自民党経済産業部会長城内実に話をきいた。

 

産業・技術に対する投資

 細川氏は「日本がこれから世界をリードしていくために、産業・技術に大胆な投資が必要だと思うが、それはどの分野か。」と質問した。

城内氏は「(技術とは)何十年もかけて感覚的に身につけるもの、例えば刀は刀鍛冶が長年かけて(習得するもので)いくら機械でやっても切れ味が違う」と述べ、「いきなりゼロからやるよりもこれまで色々な人が培ってきた経験をデータで集約すれば、ある程度のところからスタートできる」と述べ、技術者の経験や暗黙知を数値化し、そのデータを活用することで技術革新のスピードを加速することが必要だとの考えを示した。また、IT化で「産業効率も上がる。そういったイノベーションをやっていくのが大事だ。」と強調した。

また、「もう一つのキーワードは水素、燃料電池。日本はこの分野で最先端をいっている。火力発電は二酸化炭素を排出し、原子力発電も低減していくなかで水素は非常に大事だ」と述べた。

 これに対し細川氏は「エネルギーとしての将来の重要な一つの選択肢として水素を活用していくのか」と聞いた。城内氏は「勿論、他の再生可能エネルギーもある。水素はまだまだ応用段階だが、イノベーションということで研究開発の投資が必要ではないか。」と述べた。

  一方で、細川氏は「産官学の連携はうまくいくのか。」と質問した。城内氏は「日本はこれまで(産官学が)縦割りだったしかし、民間と連携する等、新しい切り口でやっていかないと大学は生き残れない。産官学の連携をいかにアピールできるかによって国の交付金にも影響する。これから大学改革を通じて自然と産官学の連携が一気に進んでいくと思っている」と答えた。

 

個人消費

細川氏は「個人所得、個人消費が伸びないのが安倍政権の苦しいところではないか。」とアベノミクスの効果が中間所得者層に迄及んでないことを指摘した。これに対して城内氏は「内部留保に回す分の一部を賃金(に回し)上昇させる。所得の分配をすることによって消費を加熱させる。成長と分配の好循環を作るためにも賃金上昇が大事である。」と答えた。

 

中小企業に対する経済政策

城内氏は「中小企業所得拡大促進税制の中には、賃金を一定程度上げたり、或いは中小企業に働く人たちが研修を受けスキルアップしたり、といった条件をクリアすると中小企業にかかる税金を減免または控除といった税制も作っている。」と述べ、中小企業に対する支援制度を整備していることを強調した。

  細川氏は「国としては税制や補助金の手当てがある。平成31年度も引き続きそういった考えで進めていくのか。」と質問した。これ に対し城内氏は「中小企業、小規模事業者は大企業と比べてハンディがある。大企業とは違った税制整備や補助金交付で、賃金上昇 や設備投資の好循環にもっていく。」と答えた。そのうえで「大企業の下請け事務はまだある。大企業の優越的地位の濫用、例えば来年消費税上がった分を下請けに押し付けるということがないように適正で公正に(行われているか)公正取引委員会や中小企業庁の下請けGメンがチェックする」と強調した。

 細川氏は「政策として制度は整えている。できるだけ多くの中小企業の方にメニューを知って使ってもらうことが大事だ」と述べた。城内氏は「ただ受け身で待っているのではなく、中小企業庁のメルマガミラサポ)がある。制度、補助金等の情報が随時配信されている。個人商店の人も含め、見て知って、受けられる優遇税制や補助金交付は積極的に受けるべきだ。」との考えを示した。

 最後に細川氏は「経済再生は国民生活に直結する課題である。」と述べ、第4次安倍改造内閣の経済政策に期待感を示した。

 (この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018929日放送の要約です)

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ラジオ日本 毎週土曜日午前705分~720

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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

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