「日本を、取り戻す」加藤勝信自民党総務会長
「細川珠生のモーニングトーク」2018年11月17日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(石田桃子)
【まとめ】
・自民党総裁選での議員票と党員票を分けて考える意味はない。
・憲法改正、与党に議論参加を呼び掛け。
・これからの新しい時代、一人一人が挑戦できる、強い社会をつくる。
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9月の総裁選から約2か月がたった。自民党総裁3選を果たした安倍総理大臣を中心に、新たなスタートを切った政権は、どこへ向かっているのか。今回は、自民党総務会長・加藤勝信衆議院議員をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。
まず、細川氏は総裁選の開票結果に言及。安倍総理大臣の得票率は、国会議員票では81%であったのに対し、党員票で55%にとどまったことを指摘。この差が、党内での安倍総理大臣に対するどのような評価を表しているのか、加藤氏に質問した。
加藤氏は、「総裁選における国会議員票と党員票は、国政選挙における小選挙区と比例代表のようなもので、分けて考える意味はない」と述べ、総合して出た結果が重要だと主張した。議員投票と党員投票を合わせた開票結果は、安倍氏が553票、石破氏が254票であった。
次に細川氏は、憲法改正議論が進まない現状を憂慮する考えを示した。これに対して加藤氏は、憲法審査会については直接関与していないとして詳しい言及を避けたが、先の通常国会で憲法審査会がほとんど開かれなかったことに懸念を示した。また、立憲民主党の、国民投票法の議論には応じるが憲法改正議論には応じないという態度は筋が通らないと批判した。
さらに加藤氏は、野党が心配するように、自民党憲法改正4項目のみの議論に終始することはないと強調し、「国会で議論を進め、国民にも周知を図ることが大切」と述べて、国会での議論を促した。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
細川氏は、自民党総裁3選の際に安倍総理大臣が述べた「歴史の大きな転換点」「新しい国創りに挑む」という言葉に触れ、現在日本が新たな時代を迎えているとの認識を示した。加藤氏をポスト安倍とする声があることにも触れて、今後どのように日本政治のかじを切っていくのか、加藤氏の考えを聞いた。
加藤氏は、「日本を、取り戻す」というスローガンの下、「一人一人の力を発揮できる環境、夢を実現できる社会を創っていく」との考えを示した。「日本を、取り戻す」は、2012年第二次安倍内閣発足時の自民党のスローガン。加藤氏はこの言葉に、「もう一度『挑戦する』日本を、取り戻す」という意味を込めていたという。
当時日本経済は、バブル崩壊、リーマンショックを経て広がった社会不安から委縮し、守りの姿勢に徹していた。それに対して政権は、アベノミクス「三本の矢」という金融財政成長戦略で改善を図ってきた。現在も、AIやICT技術の発展を受けて将来の職業に対する不安が広がっている。一億総活躍社会の実現、働き方改革、生産性革命といった取り組みは、これからも続くという。
加藤氏は、「人生100年時代、社会構造は絶えず変容し、『再チャレンジ』を迫られる」と述べ、人々が自分自身でより良い人生を選び取っていける環境を作ることが、強い社会を作ることにつながるとの考えを示した。細川氏は最後に、子どもたちに明るい将来をもたらすような、新しい時代創りに期待を述べて、対談を締めくくった。
(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2018年11月17日放送の要約です)
「細川珠生のモーニングトーク」
ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分
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細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/
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この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト
1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。