激戦ホテル業界にMUJI参入
Japan In-depth編集部(大川聖、佐田真衣)
【まとめ】
・日本初、銀座に無印良品のホテル開業。
・MUJIらしいシンプルさと日本文化がちりばめられたこだわりの内装。
・価格競争に参入せずどこまで勝負できるか注目。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=44993でお読み下さい。】
株式会社良品計画とUDS株式会社は、「MUJI HOTEL GINZA」を4月4日(木)に開業するにあたり、3月26日内覧会を開催した。
「MUJI HOTEL GINZA」は「アンチゴージャス、アンチチープ」をコンセプトに、中国の深圳、北京に続く3か所目として銀座に、無印良品のホテルとして日本初オープン。7~10階で79部屋の客室を備えており、加えて6階にレストラン「WA」、「ATELIER MUJI GINZA」、B1階にレストラン「Muji Diner」、1~5階に無印良品の世界旗艦店「無印良品 銀座」を配す。
客室の内装は、全体的に無印らしいシンプルな空間で、一つ一つの部屋は細長く奥行きがあり、布や木、石など自然素材が用いられている。また、奥に畳の小上がりがあったり、花鳥風月をテーマに厳選された本棚を備えていたりと日本の文化も随所に感じられ、落ち着いた空間が広がっている。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
備品の多くも無印良品のもので、宿泊客は同じ建物に入っている「無印良品 銀座」で商品を買うことができる利便性を謳っている。各部屋に設置されているタブレット端末で照明やアラームの操作もまとめて簡単に行うことができるのも便利だ。
▲写真 机上のタブレットでカーテンの開閉も自動でされるよう設定できる ©Japan In-depth編集部
また、フロントやレストラン等の共用部には、50年前に東京を走っていた路面電車の敷石や広島の造船所の廃材が用いられる等、時間の経過が感じられる素材が活用されていた。
ちなみに、レストランWAでは、日本各地の食材の良さ、ふるさとの味を伝えるべく、各地でのヒアリングをもとに数か月ごとに独自のメニューが創られる。初回は大分県。既に人気のある「SUSHI」、「TEMPURA」といったものだけではなく長い年月、食べ続けられているふるさとの味の魅力を伝えるメニューが今後展開されるという。
UDS株式会社のスタッフによると、客層は訪日外国人が7割くらいに上る見込み、とのこと。既に中国・北京に開業している「MUJI HOTEL BEIJING」は、安さを売りにせず、シンプルで無駄のないMUJIデザインを訴求、好調な営業を続けているという。「国内外問わず、MUJIの世界観を気に入ってくださった方に来ていただけると期待している」と話す。
▲写真 2枚共に ©Japan In-depth編集部
開催まで1年半を切ったオリンピックに向けて宿泊施設の不足が懸念される東京。ビジネスホテルだけでなくゲストハウス、Airbnb等、競合も増えている。敢えて価格競争に参入せず、銀座という立地のよさと、MUJIのデザイン性や、過ごしやすさなどの特徴を打ち出すことでどこまで勝負して行けるのか、注目だ。
トップ画像:©Japan In-depth編集部