朝鮮半島情勢ー金正恩の真の狙いとはー
.国際  投稿日:2019/8/16

対韓輸出優遇見直しの理由(下)欧米の人種関係に害


岩田太郎(在米ジャーナリスト)

「岩田太郎のアメリカどんつき通信」

【まとめ】

・韓国の主張は欧米諸国の歴史的正統性を脅かす。

・韓国併合が無効ならば、米国のハワイ併合も無効になるはず。

・朝鮮人は植民地支配の被害者でもあり、日本の協力者でもあった。

 

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韓国側の対日宣伝戦といかに効率的に戦うべきか、連載の前回は「覇権拡張を企てる中国に寝返った韓国の反日は、欧米の価値観や自由や経済的利益を害する」という観点から、いかに国際社会に対して韓国の害悪を説くべきかを地政学的観点から解説した。

最終回の今回は、韓国側が広める「1965年の日韓基本条約は無効」「1910年の日韓併合条約は国際法違反で無効」との認識が、いかに白人欧米諸国の成り立ちを否定し、元植民地や国内の有色人種からの賠償請求や領土放棄などにつながる「パンドラの箱」を開けることになるかを、それら諸国に理解させる道筋を示す。

また、米国において韓国系米国人が先住民や黒人などの権益を損ねる「白人支配の先兵」の有力な勢力であり、「植民地支配の被害者としての正統性」という主張が正確ではないことも示し、韓国の宣伝戦の「根拠」を突き崩す。

 

■ 脛に傷持つ欧米の弱点を利用

欧米諸国においては、韓国が日本の苛烈な植民地支配の被害者であったという認識が広範に行き渡っており、特に従軍慰安婦が多数強制連行され、日本兵の性暴力の対象になったとのナラティブが主流である。

この場合の日本人の立ち位置というのは、日本以上に過酷で残虐な植民地支配を行ってきた欧米人が、自分たちと同等、あるいはそれ以上にひどい植民地化を行った有色人種だ。

白人たちは日本の不正義の被害者の側に付くことによって「不正義をくじく正義の白人」という自己イメージを作り上げ、自分たちの先祖の悪行の償いとし、自分たちの過去に対する無実のアリバイを得るという倒錯した構図である。

また、韓国の主張を言い値で受け入れることは、「女性の被害者の言い分は検証しなくてもすべて真実」という欧米白人フェミニズムの根幹的主張と重なるため、フェミニスト言説が言論空間を支配する欧米において有用とみなされる。

こうしたことから、欧米人は一般的に韓国の主張をほぼ無条件で受け入れる。だが、それは両刃の剣でもある。なぜなら欧米は、先住民や黒人奴隷の子孫や元植民地の有色人種から、主権回復や領土の明け渡し、補償を求める動きに現在も直面しているからだ。

もし欧米が当時認知した日韓併合が、条約形式や手続きの面で国際法に違反し無効であるならば、先住民の大多数の反対にもかかわらず米国が領土にしたハワイの併合の条約形式や手続きもまた重大な瑕疵があり、無効であるはずだ。

▲写真 ハワイ州ホノルルのイオラニ宮殿で行われた米国併合式 出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

さらに、「韓国の源流と正統性は、1919年に上海におかれた臨時政府に由来する」という主張を認知するなら、近年ハワイ人たちが主権回復を求めて樹立した臨時政府の正統性をも、欧米が認めなければならないということになる。

また、慰安婦問題や徴用工問題において、自国内の有色人種や植民地の人々に対する謝罪も賠償も済んでいない案件が欧米には数えきれないほど多く存在し、韓国の主張に沿うことは補償問題、ひいては補償が完了している案件の蒸し返しなどを自ら呼び込むことになりかねない。

▲写真 慰安婦像 出典:pxhere

これは、欧米諸国の正統性や法的地位にまで及ぶ問題であり、本当に簡単に韓国の主張を鵜呑みにしてよいかという問いに行き着く。

このように、欧米が韓国の植民地支配被害の主張を受け入れることは、欧米人のアリバイ作りの段階では役に立つが、人種問題や歴史問題が世界中で先鋭化するなか、究極的には白人の利益にならないことを悟らせるべきだろう。

 

■ 先住民や黒人抑圧に加担

韓国人の主張の要点は、彼らの「被害者性」に根差している。だが、米国において韓国系移民は白人の先住民や黒人の抑圧に加担しており、それが「韓国人は一方的な被害者」の主張を突き崩す論拠となる。

たとえば、米国が占領するハワイは、韓国初代大統領の李承晩の亡命先として知られるが、米国のハワイ併合に韓国が異議を唱えたことはなく、逆に米国の一州として認知している。韓国系は現在ハワイ州の人口の4%を占め、白人によるハワイ支配に参加している。

また、韓国人なら誰でも知っている反日歌の「独島は我が領土(독도는 우리땅)」においては、島根県の竹島にからめて、「ハワイは米国領、対馬は日本領、独島は韓国領(하와이는미국땅 대마도는일본땅 독도는우리땅!우리땅!)」として、ハワイ先住民の主権や領土を否定している有様だ。

もし日本の韓国併合が無効であると韓国人が主張するのであれば、米国のハワイ併合の無効も叫ばなければ整合性を欠く。それどころか、すべての白人の植民地支配とその継続性は米国でもニュージーランドでもオーストラリアでも無効でなければならない。韓国人や韓国系米国人は、そのように言い切るだろうか。

また、黒人との関係において、韓国人女性店主が黒人少女を射殺し、それを白人女性判事が無罪とした事件が1992年のロサンゼルス暴動の一因となったことは特筆される。

貧しい黒人街で商売をする韓国人は黒人を雇わず、その教育熱心さでいち早く貧困から抜け出し、搾取された黒人たちは取り残されたのである。現在の韓国系の成功は、そうした収奪の上に築かれたものが多い

2015年にはメリーランド州ボルチモアで黒人暴動が起こった際、100軒近い韓国系経営の食料品店や酒類店が襲われており、黒人が韓国系を収奪者と見ていることがわかる。

これは、満洲国において日本国籍を有した朝鮮人が日本人の植民地支配の先兵となって中国人を抑圧した歴史や、太平洋戦争で昭南(シンガポール)やフィリピンに進駐した朝鮮人の兵や軍属が、連合国兵士や現地人に過酷な待遇を与えて、戦後にB級C級戦犯として多くが処刑されたことをも想起させる。

加えて、ベトナム戦争で米国に加勢した韓国兵の戦争犯罪や性暴力も「協力者・抑圧者」としての韓国人を引き立たせるものであり、これらの事実すべてが合わさって、韓国人・韓国系の「加害者性」「賠償責任」の検証へとつながってゆく

 

■ 日本の支配を受け入れた過去と直面を

戦後、韓国は一貫して「日本に対する戦勝国」の地位を国際社会に認知させようと努力してきた。これは、「1965年の日韓基本条約は無効」「1910年の日韓併合条約は国際法違反で無効」の主張と表裏一体である。

だが、1951年、ダレス米国務長官顧問は「韓国は一度も日本と戦争状態になかったため、サンフランシスコ条約の署名国にはなれない」と告げた。これに対して韓国側は、「大韓民国臨時政府は、第二次世界大戦に先立つ何年も前から日本と戦争状態にあった」と反論した。自らの武力で独立を勝ち取れなかった韓国は、「日本と敵対した結果独立した」という神話を米国に認めさせようとしたのである。

▲写真 ダレス米国務長官顧問 出典:Biographical Directory of the United States Congress

これに対して米国は、「朝鮮は大戦において、実質的に日本の一部として日本の軍事力に寄与した」ため、韓国を対日平和条約の署名国から外すと最終通告した。

これがすべてだ。ほとんどの朝鮮人は日本の植民地支配に協力し、戦争中も朝鮮内外において日本と共に連合国と戦ったのである。これは、当時の新聞や公文書などの一次史料を見れば明らかなことだ。韓国人の大多数は、対日協力者や売国奴の子孫なのである。

しかし、その事実に直面すれば、現在の韓国も北朝鮮も、「日本の不法で非人道的な支配に対して戦いを挑み、勝利して独立した」との神話が崩れ、自らの存在が無効で正統性のないものと化す。

また徴用工についても、個人賠償を含む日本からの資金供与および融資を、韓国は個々人にはほとんど支給せず、「政権のお仲間」の財閥などが潤うように自国の経済基盤整備の為に使用した。

韓国政府は、同胞である徴用工も慰安婦も捨て去ったのである。日本が、自らの責任ではない米国の原爆投下による被爆者に対し、韓国人被爆者も含めて救済してきたこととは対照的だ。

韓国人は、自らの対日協力と同胞に対する棄民政策を決して認めることができないため、昨日も今日も明日も日本に責任を負わせる。この点を、日本は国際世論に明らかにしてゆく必要があるだろう。

朝鮮人は日本の植民地支配の被害者の側面があるにせよ、大筋において日本の協力者であり、連合国に敵対して被害を与えた者たちだ。戦後、韓国として独立した後も、苦境にある同胞を見捨て、個人賠償目的のカネを財閥が肥え太るための資金とした。

そして、西側諸国の一員としての信頼や地位を悪用し、同じく反日を国是とする北朝鮮と一体化して、中国が追求する西太平洋地域における中国の排他的かつ絶対的な支配、すなわち「中国夢」実現のお先棒を担いで、欧米の利権や利益を脅かしている。また、白人の支配の先兵として、先住民や黒人の利益も侵している。

韓国はその北朝鮮や中国との一体化路線により、今や欧米や国際社会に害を与える存在となった。韓国の「被害者性」の主張を信じることは、欧米が自分の足を自分の銃で撃つようなものである。背後にある、東アジアの地政学的な変化を国際社会に説明することから、世界平和と安定がもたらされよう。

の続き。全2回)

トップ写真:G20に出席する文大統領 出典:韓国大統領府


この記事を書いた人
岩田太郎在米ジャーナリスト

京都市出身の在米ジャーナリスト。米NBCニュースの東京総局、読売新聞の英字新聞部、日経国際ニュースセンターなどで金融・経済報道の訓練を受ける。現在、米国の経済・司法・政治・社会を広く深く分析した記事を『週刊エコノミスト』誌などの紙媒体に発表する一方、ウェブメディアにも進出中。研究者としての別の顔も持ち、ハワイの米イースト・ウェスト・センターで連邦奨学生として太平洋諸島研究学を学んだ後、オレゴン大学歴史学部博士課程修了。先住ハワイ人と日本人移民・二世の関係など、「何がネイティブなのか」を法律やメディアの切り口を使い、一次史料で読み解くプロジェクトに取り組んでいる。金融などあらゆる分野の翻訳も手掛ける。昭和38年生まれ。

岩田太郎

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