無料会員募集中
.政治  投稿日:2019/10/28

「災害時避難『共助』必要」自民党災害対策特別委員会今村雅弘委員長


細川珠生(政治ジャーナリスト)

「細川珠生モーニングトーク」2019年10月26日放送

Japan In-depth 編集部(髙橋十詠)

【まとめ】

・世界中で災害が甚大化。国民が危機感を持つことが大事。

・緊急避難時、自助は無理。お互い声掛け合う共助必要。

・地方はコンパクトシティ化が、東京など都市部はリスク分散が重要。

 

先日の台風19号は台風15号に引き続き、甚大な被害を各地に及ぼした。また、台風後の豪雨により、復旧が大幅に遅れ、さらなる被害が起きている。現時点でどのように対策が必要なのか。衆議院議員で自民党災害対策特別委員会委員長である今村雅弘をゲストに迎え、政治ジャーナリストの細川珠生が話を聞いた。

まず今村氏は1日でも早い復興を目指し、現在は避難所に避難してる方、または自宅が災難に合い途方に暮れてる方など、「人」を助けることに最大限の力を注いでいる、と述べた。

細川氏は、今回の台風19号による土砂水害に対し、かつて、「無駄な公共事業だ」と批判されたこともあった、ダムやスーパー堤防などの公共工事を行うことの難しい点についてどう考えるか今村氏に聞いた。

今村氏は、日本に限らず「地球が荒々しくなってきてる。アメリアでもヨーロッパでも雨の降り方も今までと違う事を認識すべきだ。」と指摘した上で、「空の上から何億トンという水が落ちてくるというイメージを皆がもって対応するべきだ。大自然の力には勝てないから、早急な避難と災害を最小限にとどめる対策をしなければならない。」と述べ、国民が危機意識を持つことが重要だとの考えを示した。

また、今は(被災地では)電力は生活や医療に必要であり、非常に重要なインフラであるから、ここも「強化していかなければならない」と述べた。また、通信が途絶したことで混乱を招いた点も指摘し、日本で遅れている電線地中化の必要性について言及した。

▲写真 ©️Japan In-depth編集部

細川氏は、全国の電力会社が協力して千葉県の停電復旧に対処していたことを評価した上で、「国としてもう少し力を入れるべき」だと述べた。また、細川氏は避難所について、「長期的に体育館で避難生活を送るのも苦痛が伴う」と述べ、現在の避難のあり方を見直す必要があるとの考えを示した。

今村氏はそれに対し、現状から見直す点として以下の2つを挙げた。

 

(1)避難指定場所

比較的に低い位置にある体育館のような避難所が指定されていることがあるという。今回のような水害時には避難所の意味がなくなってしまう。今村氏は、「2階、3階がある学校とかを(避難所に)選ばなければならない」と述べ、水害時における垂直避難の必要性を強調した。

(2)共助

山奥で孤立化してるお年寄りなど、今回避難できなかった人もいた。今村氏は「自助、共助、公助、というが、できるだけみんなで助けあって早く安全なとこにいくことが大事」と述べ、自助が無理な緊急時には、近所同士声を掛け合って避難する「共助」が必要だとの考えを示した。

細川氏は今回、都市部は放水路や貯水池が機能して、被害が抑えられたが、地方は高齢者が山間部に住んでいたりして、被害が大きかった事に触れ、人々の住む場所を集約する必要があるのではないかとの考えを示した。今村氏はこれに対し、「コンパクトシティ的な構想があるが、便利さだけでなく、安全安心な立地や構造にしていくことが必要だ」と述べた。

また今村氏は、「本格的に都内に雨が降ったら、密集化している都市部は脆弱だ」と述べ、地方はコンパクトシティ化し、東京などの都市部はリスク分散が重要だとの考えを強調した。

最後に細川氏は、自民党の方から復旧と災害対策に関し、これからどのようなことに取り組んでいくか聞いた。今村氏は、これまで経てきた様々な経緯から「学習効果を高め、ハード面、ソフト面、予算面共にしっかりとした取り組みを迅速にやっていく」という姿勢を示した。

細川氏は、「インフラはメンテナンスが必要であり、国土強靭化は非常に大事だ。自民党でも検証して必要な対策をしてほしい。」と述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2019年10月26日放送の要約です)

 

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP http://hosokawatamao.com/

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

トップ写真:©️Japan In-depth編集部


この記事を書いた人
細川珠生政治ジャーナリスト

1991年聖心女子大学卒。米・ペパーダイン大学政治学部留学。1995年「娘のいいぶん~ガンコ親父にうまく育てられる法」で第15回日本文芸大賞女流文学新人賞受賞。「細川珠生のモーニングトーク」(ラジオ日本、毎土7時5分)は現在放送20年目。2004年~2011年まで品川区教育委員。文部科学省、国土交通省、警察庁等の審議会等委員を歴任。星槎大学非常勤講師(現代政治論)。著書「自治体の挑戦」他多数。日本舞踊岩井流師範。熊本藩主・細川家の末裔。カトリック信者で洗礼名はガラシャ。政治評論家・故・細川隆一郎は父、故・細川隆元は大叔父。

細川珠生

copyright2014-"ABE,Inc. 2014 All rights reserved.No reproduction or republication without written permission."